以下は、YOMIURI ONLINE(2013年9月19日)からの引用です。
「知らない間に、面識がない7人と養子・養親の縁組を繰り返したように戸籍が変更されていたとして、東京都内の建設業の男性(57)が、縁組の無効確認を求めて東京家裁に提訴し、19日に第1回口頭弁論が開かれる。
相手方7人のうち1人は死亡、4人の連絡先は不明で経緯も分からない。
男性は戸籍謄本を他人に渡した覚えがなく、「気味が悪い。早く本当の戸籍を取り戻したい」と話している。
訴状などによると、男性は戸籍上、2001年7月に北区の男性(69)と初めて養子縁組したことになっていた。
その後、05年までの4年間に、都内と千葉県の男女4人の養子となる一方、都内と栃木県の2人の男性の養父にもなる縁組がなされていた。
これに伴い、名字も5回変更されていた。
男性が各自治体に提出された縁組の届け出を確認したところ、書類の筆跡は7枚とも異なり、どれも明らかに男性と食い違っていた。
第三者が男性と偽って勝手に届け出たと見られる。」
筆跡が明らかに食い違っているそうなので、届出をしたのは第三者なのでしょうね。
しかし、戸籍上、名字が変更されれば、当然、住民票にもそれが反映され、お役所から来る諸々の書類の名字も変わるので、おかしいと思うのではないでしょうか。
住民票すらも、知らない間に違う住所地に移されて、お役所から来る書類は、全て第三者が受け取っていたということでしょうか。
でも、そうなると、例えば、選挙の投票の葉書なども、本人のところには届かない訳で、10年以上も気が付かないというのも、不自然なのではないでしょうか。
養子縁組の無効確認訴訟は人事訴訟であり、人事訴訟においては、真実発見の要請が強いことから、「裁判所は、当事者が主張しない事実をしん酌し、かつ、職権で証拠調べをすることができる。」ものとされており(職権探知主義、人事訴訟法20条)、しかも、「被告とすべき者が死亡し、被告とすべき者がないときは、検察官を被告とする。」ものとされています(同法12条3項)。
さて、どうなるでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ