2013年09月17日

被害女児を「母親名と続柄」で表記、許可 東京地裁公判、2次被害防止


以下は、MSN産経ニュース(2013.9.11)からの引用です。

「東京地検が被害者側の2次被害に配慮し、起訴状に被害児童名を匿名で記載した強制わいせつ事件の公判が11日、東京地裁で開かれた。

橋本健裁判官は児童を匿名にした上で「母親の名前と続柄」を追加する補正を認め、検察側が起訴状を読み上げた。

起訴状によると、被告の男(25)は昨年3月、東京都内で面識のない児童を公園のトイレに連れ込み、わいせつな行為をしたなどとされる。

検察側は、被告に児童の氏名を知られないよう、匿名にした起訴状を作成。

これに対し、地裁が「起訴内容が特定できない」として、記載方法の検討を求めていた。

検察当局は昨年11月に神奈川県逗子市で起きたストーカー殺人事件で、警察官が逮捕状に書かれた被害女性の住所を朗読したことが犯行につながった事態を受け、一部事件の起訴状で被害者を匿名にしたり、代わりにメールアドレスを記載するなどの配慮を行っていた。

一方、匿名化が進めば、誰に対する犯罪行為で起訴されたのか判然としないため、「被告が検察側の追及から身を守る『防御権』が侵害される」との声も上がっている。」




この記事の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/369594449.html

名無しの権兵衛という訳ではないのですし、被告人にとっては、「被害者の女性(○○歳)」とか記載されていても、「○○○○の長女(○○歳)」とか記載されていても、何の違いもない訳で、これで被害者の特定として足りるというのは、非常に違和感がありますね。

どうも、過去に同様の前例があったらしいのですが、起訴内容の特定に支障が出ることなどを理由として、児童の氏名を記載するよう命じておいて、「前例があるなら良いか」というのも、何だかなあという気がします。

性犯罪などの一定の事件について、名前や住所など被害者を特定させることとなる事項(被害者特定事項)について、非公開とする旨の決定を行うことですら、明文で規定されているのですから(刑事訴訟法290条の2)、わかっているのに被害者の名前や住所を起訴状に記載しないことについては、尚更、立法的な解決が必要なように思います。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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