以下は、時事ドットコム(2013/09/11)からの引用です。
「餃子の王将」金沢片町店(金沢市)で男性客が全裸になった画像がインターネット上に投稿された問題で、運営する王将フードサービスは11日、撮影した客10人を業務妨害と公然わいせつ容疑で石川県警に告訴したと発表した。
告訴は10日付。
同店は閉鎖する。
同社によると、従業員の制止にもかかわらず、客が店内で裸になって写真を撮影し、画像がネット上に公開された。
同店は2日夜から営業を停止していた。
同社経営企画部は「公序良俗に反する行為で、これ以上営業を続けることは許されないと考えた」とコメント。
損害賠償請求なども検討する。」
刑事事件に関して言えば、ネット上に画像を公開したことではなく、営業中の店内で全裸になったことが、公然わいせつ罪(「公然とわいせつな行為をした者」(同法174条))にあたり、しかも、従業員の制止を無視して行われたことが、威力業務妨害罪(「威力を用いて人の業務を妨害した者」(刑法234条))にあたるということでしょうね。
前者は、告訴(「犯罪により害を被った者は告訴をすることができる。」(刑事訴訟法230条))ではなく、告発(「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。」(同法239条1項))でしょうが。
損害賠償請求というのは、店舗の閉鎖に関する損害賠償請求ということでしょうか、それとも、餃子の王将全体に対する社会的評価の低下や売上減少に関する損害賠償請求ということでしょうか、あるいは双方でしょうか。
店舗の閉鎖に関しては、問題の行為が、従業員の制止を無視して行われたのであれば、店舗側に「公序良俗に反する行為」があった訳ではないので、フランチャイズ契約解除→店舗閉鎖→損害賠償請求というのは、筋が通っていないようにも思います。
同じく、社会的評価の低下に関しても、従業員の制止を無視して行われたのであれば、必ずしも、餃子の王将の社会的な評価が低下する訳ではないようにも思います。
売上が減少しているのかどうかはわかりませんし、相手方に支払能力があるのかどうかもわかりませんが、こうやって、マスコミで取り上げて貰える訳ですから、迅速な対応は正解だと思いますし、双方の言い分には食い違いがあるようですから、刑事・民事の手続を通じて、白黒をはっきりさせるというのも、正解だとは思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ