以下は、朝日新聞デジタル(2013年07月05日)からの引用です。
「自転車で女性(67)をはねて寝たきり状態にさせたとされる少年(15)=当時小学5年=の親の賠償責任が問われた訴訟の判決が4日、神戸地裁であった。
田中智子裁判官は「事故を起こさないよう子どもに十分な指導をしていなかった」と判断。
少年の母親(40)に対し、原告の女性側と傷害保険金を女性に支払った損保会社に計9500万円を賠償するよう命じた。
判決によると、少年は2008年9月22日夜、神戸市北区にある坂をマウンテンバイクで時速20〜30キロのスピードで下っていた際、知人の散歩に付き添い中の女性に衝突した。
女性は頭の骨が折れ、現在も意識が戻っていない。
判決は「少年の前方不注意が事故の原因」と認定。
少年側は「危険な走行はしておらず、日頃から指導もしていた」として過失責任を否定したが、判決は母親が唯一の親権者としての監督義務を十分に果たしていなかったと判断した。
そのうえで女性が事故に遭ったことで得ることができなくなった逸失利益や介護費などを考慮し、母親には女性側へ3500万円を支払うべきだと指摘。
さらに、女性の親族が加入していた保険契約に基づき、6千万円の傷害保険金を支払うことになった損保会社への賠償責任も負うべきだとした。」
こちらは、当時小学5年の親の賠償責任とのことですので、民法714条の監督義務者責任ということだと思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/366746962.html
同条による場合には、「ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」という主張・立証責任を転換する規定がありますので、殆どの免責の余地はなく、賠償責任が認められることになります。
それにしても、一瞬の不注意の自転車事故で、67歳の女性を寝たきり状態にさせて、9500万円ですか。
逸失利益や慰謝料もありますが、大半は介護費用でしょうね。
最近、自転車通勤、自転車通学の方を多く見かけるように思いますし、自分自身も、曲がり角などで、ヒヤッとしたことがあります。
自転車保険というのもありますし、他の保険の特約もありますので、保険料が安いかどうかだけで判断せず、万が一の時に、キチンと使えるかどうかを、良く確認する必要があると思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ