以下は、YOMIURI ONLINE(2013年7月2日)からの引用です。
「群馬県警は2日、太田市龍舞町、高校教諭中沢亮容疑者(32)を脅迫とストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。
発表によると、中沢容疑者は今年4月、教え子だった同県内の女性(19)の携帯電話のメールに「なめている。ぶっ飛ばしたくなる」などの内容を9回送って脅した疑い。
6月には「よりを戻してくれ」と交際などを迫るメール209件を送るなどした疑い。
中沢容疑者が送ったメールは1000件を超えていた。
調べに対し、中沢容疑者は「メールを送ったのは間違いない」と供述しているという。」
続いて、以下は、MSN産経ニュース(2013.6.26)からの引用です。
ストーカー規制法とDV防止法の改正成立 執拗なメールも規制対象へ
「長崎県西海(さいかい)市や神奈川県逗子(ずし)市で相次いだストーカー殺人事件などで不備が指摘されていたストーカー規制法と、同居する恋人間の暴力への対策を強化したドメスティックバイオレンス(DV)防止法の改正案が26日、衆院本会議で可決、成立した。
ストーカー規制法の改正は平成12年の成立以来、初めて。
いずれも7月に公布予定。
改正ストーカー規制法は一部を除き10月に、改正DV防止法は来年1月に施行される。
ストーカー規制法の主な改正点は(1)執拗(しつよう)なメールを付きまとい行為に追加(2)被害者の住所地だけでなく、加害者の住所地などの警察も警告や禁止命令を出せるようにする(3)警察が警告を出したら被害者に知らせ、警告しない場合は理由を書面で通知する−など。
DV防止法は、現在は事実婚を含む配偶者と元配偶者の暴力に限っている対象を「生活の本拠を共にする交際相手からの暴力」に準用し拡大する。
「デートDV」と呼ばれる恋人間の暴力がエスカレートし、被害者やその家族が襲われる事件が後を絶たないためだ。
改正後は加害者と同居しているデートDVの被害者も全国の配偶者暴力相談支援センターなどに相談し、一時保護を受けられる。
加害者に接近禁止や退去などの保護命令を出すよう、裁判所に申し立てることも可能になる。
同居期間は問わず、同居解消後に引き続き暴力を受けている被害者も適用対象となる。
両改正法案は議員立法で提出。
先に審議した参院を21日に通過した。」
メールも規制の対象とした改正法は、何とか成立していたんですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/366079196.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/367844708.html
しかし、施行されるのは10月とのことですので、本件は改正法が適用された第1号事件という訳ではありません。
「ぶっ飛ばしたくなる」などの文言が、刑法222条1項の脅迫罪となり、「よりを戻してくれ」と交際などを迫ることが、ストーカー行為等の規制等に関する法律2条1項3号の「面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること」になるということで、1000通を超えるメールを送信したという点を捉えて、ストーカー規制法違反で逮捕ということではありません。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ