以下は、YOMIURI ONLINE(2013年6月28日)からの引用です。
「NHKが放送受信契約の締結に応じなかった相模原市の男性を相手取り、契約を結んで受信料を支払うよう求めた訴訟で、横浜地裁相模原支部(小池喜彦裁判官)は27日、男性に契約締結と受信料約10万9000円の支払いを命じる判決を言い渡した。
NHKによると、同様の訴訟で、被告側の反論がないまま、NHKの請求通りの判決が出たケースはこれまでに5件あるが、裁判所が双方の主張を踏まえ判断を示したのは初めて。
判決によると、NHKは2009年1月、テレビが設置されていることを確認したが、男性は契約に応じず、「東日本大震災でテレビが壊れた」などと主張していた。
判決は「放送法は、利用状態とは関係なく、テレビを設置した者から一律に受信料を徴収することを認めている」と指摘。
契約を拒否する設置者に対しては、裁判所の判決を得ることで契約を締結させることができるとの判断を示し、男性に09年2月〜13年1月分の受信料支払いを命じた。」
「NHK」「受信料」といったキーワード検索から、私のブログにまでアクセスする方が結構いますので、恐らく、NHKは、全国各地で、もの凄い数の訴訟を提起しているのでしょうね。
民法414条2項但書は、「法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。 」と定めており、放送受信契約を締結するのも、法律行為の1つですので、当然と言えば当然の判決です。
そこまでやるかとは思いますが、真面目に契約に応じた人は、真面目に受信料を支払っているのに、なんだかんだと言って契約に応じさえしなければ、永遠に受信料を支払わなくて良いというのも、不公平な話ですので、あながち悪いことだとは思いません。
ただ、そこまでやるのであれば、より一層、義務付けに相応しい番組作りのための努力が求められると思いますし、受信料減額のための努力も求められると思います。
また、札幌高裁の平成24年12月21日判決を読むと、NHKは、「受信料支払の延滞がある204万件を超える契約者全員に対し、上記の方法によって未払受信料を回収するのは不可能に近く、現在、支払督促や訴訟等の法的手続を行っているのは、そのごく一部にすぎず、仮に5年の短期消滅時効が適用されるとすれば、上告人は、5年間のうちに上記件数の未払契約者全員に対して支払督促や訴訟等の法的手続を行うことは、費用がかかるほか、膨大な件数の支払督促申立てを行うことになり、非現実的である」と主張しているそうですが↓、未払契約者どころか、未契約者に対してまで訴訟を提起しているのですから、充分現実的なのではないかと思います。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/312631147.html
今回の判決でも、支払を命じたのは5年分の受信料ですし、その点については、NHKは特段のコメントをしていないようですので、5年で消滅時効ということについては、もう争わなくなったということでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83393&hanreiKbn=04
「原告は,原告からの受信契約締結の申込みに対し,契約締結を拒否するなどして契約をしない受信設備設置者に対しては,民法414条2項ただし書により,受信契約の締結に応諾する意思表示を命ずる判決を得ることによって,当該受信契約を締結させ,当該受信契約に基づいて,受信料の支払を求めることができるものというべきである。」とのことです。