以下は、時事ドットコム(2013年6月13日)からの引用です。
「懲役・禁錮刑の刑期を分割し、一定期間受刑させた上で残りの刑期の執行を猶予する「一部執行猶予制度」を導入する改正刑法と関連法が13日午後の衆院本会議で全会一致で可決、成立した。
一部執行猶予は、実刑と執行猶予の中間的な刑罰で、受刑者の再犯を防ぐとともに、社会復帰を促すのが狙い。
公布から3年以内に施行する。
制度導入により、例えば「懲役2年、うち懲役6月は2年間の保護観察付き執行猶予」との判決が可能となる。
この場合、受刑者は1年6カ月を刑務所で過ごして出所。
その後は保護観察を受けつつ2年の社会生活を送り、何事もなければ残り半年間の刑を受ける必要がなくなる。
一部執行猶予の対象は、原則として、刑務所に入所したことがなく、かつ3年以下の懲役・禁錮刑の場合。
薬物使用などの罪に関しては、刑務所に入所したことがある人でも適用できる。」
仮釈放という制度はありますが(刑法28条「懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。」)、適正に運用されているのかどうかは分かりませんし↓、全部執行猶予でなければ実刑という現状は、天と地しかないようなものなので、中間的な一部執行猶予が認められることは、良いことだと思います。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/civil_liberties/year/1965/1965_5.html
実際に施行されたら、全部執行猶予を求めることはさすがに無理な事件でも、要件を満たしていれば、「寛大な一部執行猶予の判決を求める」という弁論をすることになるでしょうね。
それにしても、交通事故など、犯罪の厳罰化が叫ばれる昨今なのに、こういう改正が行われるということは、受刑者、特に薬物関係の受刑者が増え続けており、刑務所が満杯になりそうだということなのでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ