以下は、毎日jp(2013年05月30日)からの引用です。
「政府の法曹養成制度検討会議が30日、法務省で開かれ、司法試験の受験回数制限を現行の「5年で3回まで」から「5年で5回まで」に緩和することなどを盛り込んだ座長(佐々木毅・前学習院大教授)試案が示された。
検討会議は4月に中間提言をまとめ、約1カ月間の意見公募を実施。
今回はこれを踏まえ、制度の見直し案をさらに具体化した。
司法試験の受験回数制限は、法科大学院での教育効果が薄れないうちに受験すべきだとして導入された経緯がある。
しかし「(3回しか受験できず)受験生に心理的負担を与える」「法科大学院修了後も(予備校に通うなど)すぐ受験しない『受け控え』を招く」として、緩和や撤廃を求める声が上がっていた。
会議では「新しい回数制限に移行する場合は、タイミングに配慮する必要がある」などの意見が出されたが、「5回」緩和案が大筋で支持された。
このため、検討会議が6月中にまとめる最終提言に盛り込まれる可能性が高まった。
試案では、司法修習生の経済的負担を軽減するため、現在は禁じられているアルバイトを一定条件の下で認める▽教育状況に深刻な課題のある法科大学院に法的措置を講じる仕組みを設ける−−ことも示され、今後も議論を続けることになった。」
法曹養成制度検討会議は↓で、さすがに5月30日開催分の議事録はまだ掲載されていませんが、【資料1】として、パブリックコメントの結果や、詳細な座長私案が、既に掲載されています。
http://www.moj.go.jp/housei/shihouseido/housei10_00001.html
司法試験の受験回数制限は、法科大学院での教育効果が薄れないうちに受験すべきだとして導入されたとのことですが、個人的には、司法試験に受験回数制限を設けること自体、ナンセンスな話で、受けたい人は何回受けても良いのではないか、諦めるかどうかは本人が決めれば良いではないか、苦節何年何十年であろうと合格できるだけの実力が付いた人を排除する理由がどこにあるのか、職業選択の自由はどこに行ってしまったのか、と思っていますので、3回を5回するのに何の意味があるのかしら、という感じです。
むしろ、どうして「法科大学院修了後も(予備校に通うなど)すぐ受験しない『受け控え』を招く」のかを、真剣に考えるべきなのではないでしょうか。
【資料3】の和田委員提出意見の「法科大学院が司法試験の受験指導をするのは当然じゃないか」というのは、全く同感ですが、これは同じ弁護士だからという訳ではないと思います。
同意見の「旧司法試験の時代に、教育の点で法曹志願者に見限られた大学側」という表現は、もの凄く辛辣ですが、法科大学院も、見限られないようにする努力をしなければ、同じことになるのは、当然のことだと思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ