以下は、MSN産経ニュース(2013.5.29)からの引用です。
「東京電力福島第1原発事故の被災者が民法上の損害賠償請求権の時効(3年)にかかわらず、東電に賠償を求めて提訴できるようにする特例法が29日、参院本会議で全会一致で可決し、成立した。
国は「原子力損害賠償紛争解決センター」で被災者と東京電力の和解を仲介しているが、申請件数が多くて処理が追いついていないため、仲介の途中に時効が成立する懸念をなくす。
具体的には、仲介が不調の場合でも、打ち切りの通知から1カ月以内であれば、3年を経過していても損害賠償請求訴訟を起こすことが可能になる。
センターでの和解仲介制度の活用を促す狙いがあるが、申し立てをできない被災者もいる。
28日の参院文教科学委員会では、すべての被災者が賠償請求権を行使できるよう本年度中に検討することを求める付帯決議を採択した。」
来年の3月で、事故から早3年、消滅時効期間が経過することになります。
飽くまで、3年が経過しても時効消滅とならないためには、3年が経過する前に、センターでの和解仲介の申し立て等をしていなければなりませんし、更に、打ち切り後1か月以内に、提訴しなければなりません。
民法151条は、「和解の申立て又は民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、1箇月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。」と定めていますが、センターでの和解仲介制度にも、これと同様の効果を認めたに過ぎません。
札幌弁護士会の会長声明では、3年間の短期消滅時効そのものの適用を排除すべきとのことですが↓、個人的には、更に、20年の除斥期間の適用も排除すべきではないかと思います↓
http://satsuben.or.jp/info/statement/2013/03.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/322309153.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ