以下は、YOMIURI ONLINE(2013年5月14日)からの引用です。
「原告や被告または双方が弁護士を付けない「本人訴訟」の2割近くについて、担当した裁判官が、弁護士がいれば本人に有利に働いたと考えていることが、最高裁司法研修所の初の調査で明らかになった。
また被告が弁護士抜きで敗訴した訴訟の約3割についても同様の回答があり、同研修所は「妥当な結論を得るには弁護士の選任を増やす必要がある」と提言している。
調査は本人訴訟の実態を探るため、全国の地裁で2011年1月20〜31日に終結した本人訴訟中285件について担当裁判官から回答を得た。
それによると、このうち約18%について「弁護士がいれば、結論に有利に影響した可能性がある」と裁判官が考えていた。
「影響はなかった」との回答があった訴訟も約56%あったが、同研修所の研究報告は「事実関係が単純で、弁護士の有無で差が生じにくかったケースが多い」と分析。
一方、被告が弁護士抜きで敗訴した107件の約27%は「弁護士がいれば、より適切な主張や立証ができ有利になった」とした。
研究報告は、本人訴訟で和解率が低い点も指摘、「本人では訴訟の見通しを的確に把握できず、裁判所や相手側とのコミュニケーションも欠くため」と分析した。」
本人訴訟で、あるいは他の弁護士が付いて、訴訟を進めてきたものの、どうや雲行きが怪しいということで、あるいは敗訴したので控訴したいということで、相談に来られる方もおります。
しかし、訴訟の初期の段階や、それ以前の示談交渉の段階で、大きなボタンの掛け違いがあり、今から挽回することは非常に困難、初めから受任していれば違う展開になったかもと思うことが、少なくありません。
一般的な民事訴訟においては、訴訟の開始と終了、また、訴訟対象の特定について、当事者に決定権を認める処分権主義が採られていますが、処分権主義の中には、いかなる法律構成により判決を求めるのかという訴訟物の選択も含まれており、訴訟物によって、主張・立証を要する要件事実が異なってきますので、訴訟を提起する段階での訴訟物の選択が、結論を大きく左右することも、ままあります。
同じく、裁判に必要な事実に関する資料の収集は当事者の権能かつ責任であるとする弁論主義も採られていますが、弁論主義の帰結の1つとして、当事者間で争いのない事実はそのまま裁判の基礎にしなければならないことになっていますので、初期の段階での自白により、取り返しが付かないことになることも、ままあります(自白の撤回は殆ど不可能です)。
離婚訴訟などの人事訴訟では、真実を発見する必要性が高く、また、判決の効力が第三者にも拡張されることなどから、弁論主義とは反対に、訴訟資料の収集に関する権能・責任が裁判所にあるとする職権探知主義が採られていますが、とは言っても、実際には、当事者の主張・立証の優劣によって、結論に差異が生じることは、当然、あります。
訴訟の見通しを的確に判断して、できる限り好条件で和解をすることも、重要なことです。
訴訟を起こしたり、起こされたりすることは、一生に何度もあることではありませんし、裁判の結果が、人生の転機となることも、少なくないのではないかと思います。
弁護士ゼロワン地域はなくなった筈ですので↓、どこでも、地元の弁護士に相談することができる筈です。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/241739336.html
とにかく、初期の段階で、弁護士に相談することをお勧めします↓
http://morikoshi-law.com/houritusoudan.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ