以下は、朝日新聞デジタル(2013年4月10日)からの引用です。
「昨年8月に電車内で女性のスカートの中を盗撮したとして、罰金50万円が確定した大阪地裁の華井(はない)俊樹判事補(28)に対し、国会の裁判官弾劾(だんがい)裁判所(裁判長・谷川秀善参院議員)は10日、罷免(ひめん、免職)とする判決を言い渡した。
不服の申し立てはできず、判決は宣告と同時に確定した。
罷免判決を受けた裁判官は史上7人目。
判決によって裁判官の身分を失い、弁護士になれる法曹資格もなくなった。退職金も支給されない。
華井判事補は昨年8月29日午前8時半ごろ、京阪電鉄の電車内で女性のスカートにカメラ付き携帯電話を差し入れ、動画を撮影したとして現行犯逮捕され、大阪府迷惑行為防止条例違反の罪で略式起訴された。
裁判官は司法の独立を守る観点から身分が手厚く保障され、懲戒免職の制度はない。
不祥事により強制的に辞めさせる場合には、国会議員が裁判官役と検察官役を務める弾劾裁判を経る必要がある。
3月13日の初公判で華井判事補は「自分の時間がほとんどなく、欲求を抑えられなくなった」と動機を説明。
弁護人は罷免は厳しすぎると主張していた。」
ようやく、判決ですか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/archives/20130213-1.html
そのうち、弾劾裁判所の公式ホームページ↓に掲載されることと思います。
http://www.dangai.go.jp/
裁判官でなければ、直ちに懲戒免職が相当かどうかは、微妙なところだとは思いますが、通常の職業とは異なる倫理観、信頼感というものが求められる立場なので、致し方ないのではないかと思います。
という訳で、以下は、毎日jp(2013年04月11日)からの引用です。
痴漢:懲戒免職「処分重い」…元教諭、逆転勝訴 東京高裁
痴漢をしたとして罰金刑が確定し懲戒免職となった元横浜市立高校教諭の男性(60)が市側に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は11日、男性側の請求を退けた1審判決を取り消し、男性側逆転勝訴を言い渡した。
市村陽典(ようすけ)裁判長は「処分は重く、妥当性を欠く」と指摘した。
高裁判決によると、男性は06年、横浜市内のデパートで女性2人の下半身を服の上から触ったなどとして、神奈川県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。
無罪を主張したが、07年に最高裁で罰金40万円が確定。
同市教育委員会から懲戒免職処分を受けた。
男性は「処分は市教委の裁量権を逸脱し違法」として提訴し、昨年8月に横浜地裁で請求を棄却されたため控訴していた。
高裁判決は男性の行為について「計画性がなく、着衣の上から一瞬触る程度であって執拗(しつよう)ではない」と認定。
男性に前科がなく、勤務態度が良好だったことを踏まえ「処分は社会通念上著しく妥当性を欠くと認められる」と判断した。
横浜市教委は内規で、痴漢行為に伴う職員の処分について免職か停職と定める一方、具体的な状況などを踏まえて軽減するとしている。
判決後、男性は「懲戒免職されて教壇を去るのは納得がいかなかった。粘り強く闘い続けて良かった」と語った。
同市の岡田優子教育長は「判決を精査した上で今後の対応を検討する」とコメントした。」
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ