以下は、日経Web刊(2013/4/4)からの引用です。
「警察庁は4日、2012年の1年間に全国の警察が325件のヤミ金融事件を摘発し、被害額は約109億9千万円だったと発表した。
被害額は統計開始の1999年以降で最少。
同庁は「ヤミ金に使われた可能性のある口座凍結などの対策が奏功した」と説明している。
2004年に約348億円と最悪を記録した被害額は、その後は減少傾向。
10年以降は100億円台の前半まで減っていた。
被害者数も03年の約32万1千人から、12年は約3万1千人と10分の1まで減少。
一方でヤミ金に利用された口座の凍結を金融機関に要請したケースは約2万3千件と、11年より1割以上増えた。
ただ、新たなヤミ金の手口は後を絶たない。
福岡県警が摘発したケースでは、質店を装ったヤミ金業者が、年金を担保に高齢者に金を貸し付けたうえで、年金の受取口座から自動引き落としの形で借金を返済させていたという。
事態を重く見た警察庁は全国銀行協会など金融機関に対し、高齢者の口座に自動引き落としを設定する申し込みがあった際の審査の厳格化を要請し、被害の拡大防止を急いでいる。」
「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(通称「振り込め詐欺救済法」)による被害回復の手続は↓
http://www.fsa.go.jp/policy/kyuusai/index.html
確かに、口座凍結の効果は絶大ですが、ヤミ金業者は、普通の貸金業者からは借り入れできないような人々に対して、少額の金員を貸し付けた上で、違法な超高金利を搾り取ろうとするものですので、振り込め詐欺などとは異なり、貸付金という元手を出した上で、回収できないリスクもありますし、1件1件は少額ですので、現金で回収していては余りに非効率的で(そういうヤミ金業者もいるようですが)、大きな利益を得ようとすれば、銀行振込を利用することになり、足がつきやすいこともあって、早晩、すたれる運命にあったのだと思います。
福岡県警が摘発したケースは↓ですが、被害者の年金の受取口座からの自動引落にすれば、確かに、楽で確実なものの、明らかな足跡を残すことになりますので、これが広まるとは思えません。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/319366918.html
そう言えば、改正貸金業法↓による規制強化で、必要な資金を借りられなくなった人が、ヤミ金融に流れるなどの弊害が大きいので、大幅に規制を緩和する必要があるなどと言っていた方々がいましたが↓、今でも、そんなことを言っているのでしょうか。
http://morikoshi-law.com/faq4-12.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/271564728.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ