以下は、朝日新聞デジタル(2013年2月28日)からの引用です。
「経営破綻(はたん)した大手消費者金融「武富士」から金を借りていた神奈川、千葉両県の6人が、過払い利息分の一部として計約730万円の賠償を創業者一族の元代表取締役に求めていた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(坂井満裁判長)は27日、請求をすべて棄却した。
一審・横浜地裁は6人中5人の請求を一部認め、計約470万円を支払うよう創業者の次男の武井健晃氏に命じていたが、原告側の逆転敗訴となった。
高裁は「武富士側が多数の顧客ごとに計算するのは困難で、過払い分を差し引かずに返済させたのは、社会的に不相当とは言えない」と指摘。「会社に賠償責任がない以上、武井氏にも責任はない」と結論づけた。」
同じような東京高裁判決があったような気がしましたが、気のせいではありませんでした↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/305316633.html
横浜地裁判決自体が2つあり、いずれも東京高裁に控訴され、別々の部に係属していたということですね。
2006年1月24日の最高裁第3小法廷判決により、グレーゾーン金利はほぼ全面的に否定されることになり、過払金返還請求に大きく道が開かれました↓
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62601&hanreiKbn=02
これを受けて、日本公認会計士協会は、同年10月13日、「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」を公表し、このルールが同年9月の中間決算から適用され、消費者金融各社は過払い金返還引当金=利息返還費用引当金を積み立てるようになりました↓
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/main/post_92.html
ということは、遅くとも、この時点では、過払金を現実に計算していたか、計算する必要があったのではないでしょうか。
いずれにしても、本来支払う必要のない高金利を長年絞られ続けてきた借主の犠牲の下に、武井一族は莫大な資産を形成しているのに、武富士は倒産したから僅かな配当で終わりというのは、余りに不公平だと思うのですが…。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ