以下は、日経電子版(2013/2/25)からの引用です。
「国公立大2次試験の前期日程が25日始まり、受験シーズンがヤマ場を迎える中、かつて「就職でつぶしが利く」として文系の花形だった法学部の人気低迷が続いている。
就職でより有利とされる理工系や資格系の学部に人気が移り、法科大学院(ロースクール)の不振や官僚批判も響く。
各大学は法学部に再び目を向けてもらおうと工夫を凝らしている。
「高校生は法学部のことを想像以上に知らない」。
明治学院大(東京・港)の渡辺充法学部長(55)は危機感をあらわにする。
進路のイメージが法曹界に偏り、金融や行政分野でも法律が重要と大学に入ってから知るケースが多いという。
明治学院大法科大学院は入学者の減少を受け、2013年度以降の学生募集を停止した。
自前で法曹人材を育てられなくなり「文系の中心という王様気分」(渡辺学部長)の転換を迫られた。
昨年初めて学部独自のパンフレットを作製。
金融機関などの就職にも強いことをアピールした。
高校やオープンキャンパスで配布し、学科ごとのパンフレットも作製中だ。
今年の志願者数は昨年より増えたが、渡辺学部長は「何もしなければじり貧。法学と社会の関係を高校生に訴えていく」と話す。
明治大(東京・千代田)でも、大学のルーツであり花形だった法学部の一般入試の志願者数は04年から13年にかけて約3千人減った。
そこで打ち出したのが「グローバル人材の養成」だ。
希望する学生を英ケンブリッジ大に1カ月間留学させる事業を10年に開始。
13年からは外国人学生を2週間招いて日本の法制度を学んでもらうプログラムに、日本人学生も参加させる。
小室輝久准教授(44)は「(花形学部の)イメージにあぐらをかいてはいられない。世界で仕事ができる学生を育てたい」と話す。
地方国立大も懸命だ。
香川大(高松市)は13年度から行政、実業界、法律家などと連携した授業を計画。
地元自治体や金融機関などから職員を派遣してもらい、弁護士や司法書士らと共に実務と理論の関わりを講義してもらう。
同校の肥塚肇雄法学部長(52)は「理論だけでなく、実務も学ぶことでキャリア意識を高めたい。それが高校生へのアピールにもなる」と意気込む。
国公立大2次試験前期日程の志願者数は26万7930人で昨年並み。
倍率も3.4倍で同じだった。
大手予備校の河合塾は「センター試験の平均点が低迷し、出願自体を取りやめた受験生が多かった」と分析する。
東京都文京区の東京大には午前8時ごろから受験生が続々と姿を見せた。
川崎市の男子高校生(18)は「緊張のせいか昨夜は眠れなかった。試験中に眠気が襲ってこないか心配」と不安げな表情。
化学者を目指している京都市の男子予備校生(19)は「実験設備が日本で一番整っているので東大を志望した。今年こそは合格しないと」と気合を入れていた。」
考えてみれば当然のことですが、法科大学院離れの影響は、法学部離れにまで及んでいるのですね。
我々の時代は、司法試験を目指すかどうかは別として、どこの大学でも、文系の中では、法学部が一番人気があり、競争倍率も、合格点も、一番高かったように思います。
本当に、司法の危機だと思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ