以下は、YOMIURI ONLINE(2013年01月21日)からの引用です。
「AIJ投資顧問の詐欺事件で公判中の同社社長・浅川和彦被告(60)が、22日の東京地裁での被告人質問を前に読売新聞の取材に応じた。
「最初の数か月で約15億円の損を出した。取り返すまでファンドを水増しするしかないと考えた」と事件の経緯を明らかにした。
AIJが年金基金にファンドを売却し始めたのは2003年。
数か月で預かった約30億円の半分を失った。
「申し訳ないでは済まず、取り戻すしかないと考えた」。
顧客にばれないよう、ファンドの純資産額を水増しした。
「違和感はなかった。金融商品取引法を読んだことはなく、『まずいかな』ぐらいだった」という。
損失は08年に550億円に膨らんだ。
同年のリーマンショック後に約300億円を取り戻したが、09年に運用実績に粉飾の疑いがあると年金情報誌に報じられ、顧客が離れたという。
「焦って運用に集中できず、一気に500億円の損を出した。今でも夢に出る」
結局、基金側の損失は1000億円を超えた。
AIJに残る資産は100億円程度だといい、「『隠し資産があるだろう』と言われるが、本当にない」と話す。
ファンドの実績を水増ししていたため、業務停止前に解約した基金に実際より多く解約金を支払っていた。
「これらの基金に、水増し分は被害基金に回すよう働きかけている」とするが、応じた基金はない。」
続いて、以下は、朝日新聞デジタル(2013年01月18日)からの引用です。
保釈中の浅川AIJ社長「利益得た基金に弁済求める」
「巨額の年金資産を詐取したとして公判中で、昨年暮れに保釈されたAIJ投資顧問社長・浅川和彦被告(60)が、朝日新聞の単独取材に応じた。
「利益を得た基金に、粘り強く返還をお願いしていくつもりだ」。
22日に東京地裁で被告人質問があるのを前に、今後の弁済についての考えや心境を語った。
各基金への被害回復の方法として、浅川社長はAIJ関係会社や自身の財産を提供する意思について「ある」と述べ、「全部足して20億円程度。あまり回復できない」と語った。
ただその前に、うその運用実績をもとに利益を受け取った年金基金に対し、約380億円に上る「過払い分」を弁済に充ててもらうよう求めていくという。
これまで35基金に手紙を送ったが、現時点で応じた基金はない。
傘下のアイティーエム証券への報酬も、実際の運用実績に基づけば約21億円過剰だったため、弁済に充てるよう求める考えだ。
どの基金からの預かり金が、どの基金への払い戻しに充てられたかといった資金の流れは、公判で明らかにすることを検討中だ。
浅川社長によると、詐欺罪で立件された被害基金の中にも、かつて解約した際に得た利益の方が多く、もうかっている基金がある。
また、昨年2月に問題が発覚する直前に、駆け込み的に複数の基金から約50億円の解約があったという。
浅川社長は年金基金への営業方法も明かした。
年収は約8千万円だったが、1カ月に250万円ほどを基金への接待を含めた飲食代にあてていたという。
収賄罪で昨年11月に起訴された福岡県エルピーガス厚生年金基金の前理事長に、AIJ傘下のアイティーエム証券が数百万円を入金していたことも「知っていた」と認めた。
同様の行為が他にもあったか尋ねると、「別の基金のある理事に数千万円が渡ったと聞いた。知っているのはそれだけ」と語った。
長年、うその運用実績で勧誘を続けた理由について、「年金を重いものと思うあまり、損したまま返したくなかった」と説明。
「証券取引等監視委員会が検査で私たちの業務を止めてくれて、ほっとした。年金基金が客でなければ、正直に言えたと思う。後悔している」と振り返った。」
罪を認めて保釈で出てきたと思ったら、09年に運用実績に粉飾の疑いがあると年金情報誌に報じられ、顧客が離れ、「焦って運用に集中できず、一気に500億円の損を出した。」だの、「年金基金が客でなければ、正直に言えたと思う。」だの、相変わらず性懲りのない人ですね。
事実を報じられただけの話でしょうし、年金基金を顧客にしたのも、他でもない自分自身でしょうに。
弁護人は、さじを投げているということでしょうか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/archives/20121204-1.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ