以下は、日経Web刊(2012/12/20)からの引用です。
「警察庁は20日、全国の警察の留置施設を来年4月1日から全面禁煙とする方針を決めた。
警視庁など一部では実施済みだが、受動喫煙への配慮を徹底する。
刑務所や拘置所、取調室などでは既に喫煙ができないため、逮捕後は釈放されたり出所したりするまでたばこが一切、吸えないことになる。
留置施設では現在、施設内の運動場で運動時間中、自分で購入した分から1日2本程度まで吸うことができる。
喫煙者と非喫煙者で利用時間を分けても、非喫煙者から「たばこの臭いが残っている」「煙が部屋まで流れてくる」などの苦情が寄せられていたという。
警察庁は、たばこを吸わない人の健康への影響も考慮した。
刑事収容施設法では、規律や維持管理に支障を生じるおそれのない限り留置施設内での「嗜好品」の摂取を認め、嗜好品を「菓子類、清涼飲料水及びたばこ」と規定している。
今後、政府のサイトなどで意見を募ったうえで、関連規則の改正を進める。
留置施設での全面禁煙は、警視庁や沖縄県警が既に実施。
愛知県警は来年1月から始める予定で、北海道警も一部で行っている。
取調室には2010年以降、留置施設からたばこを持ち込めないことになっている。」
国選弁護人に選任されたりして、被疑者・被告人の供述調書を見ると、信条・経歴・嗜好を述べた供述調書もあるのですが、たばこは吸わないという調書を、見た記憶はないのですが…。
運動時間中に吸える本数が限られていても、留置施設から取調室には煙草を持ち込めないことになっていても、取調べと称して、取調室に被疑者を呼び出して、被疑者に自分の煙草を吸わせてやったりする警察官もいるようです。
勿論、取調べをスムーズに行うため、すなわち自白させるためです。
逮捕・勾留されるだけでも、もの凄い肉体的・精神的負担なのに、更に煙草を吸えないとなると、喫煙者にとっては、もの凄い重圧ですので、一切吸えないとなると、このような駆け引きが横行しないか、心配になりますね。
難しい話をすれば、被疑者は無罪推定だとか、拘束は逃走防止など最低限であるべきということになるのでしょうが。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ