2012年11月29日

東野圭吾さんら7人、本の「自炊」業者を提訴


以下は、朝日新聞デジタル(2012年11月27日)からの引用です。

「本を裁断・スキャンして電子書籍をつくる「自炊」を代行するのは違法だとして、作家・漫画家ら7人が27日、業者7社とその代表者を相手に自炊代行の差し止めと計147万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

訴えたのは浅田次郎、大沢在昌、永井豪、林真理子、東野圭吾、弘兼憲史、武論尊の各氏。

7人は昨年末、別の業者2社を相手に代行差し止めを求め提訴したが、損害賠償を求めるのは初めて。

自炊代行は今年約20社が始めるなど新規参入がやまないため、原告側は「無断スキャンが著作権侵害にあたるという確たる判決を得たい」という。

著作権法では、著作物を複製する権利は著作者だけが持ち、私的使用のための複製の場合は例外的に認められる。

自炊代行は「私的複製」にはあたらず作者の複製権を侵害しているというのが原告側の主張だ。

原告らは昨年9月、業者約100社に「無断スキャンは認められない」と通知し、質問書を送付。

今回被告となった業者7社は「原告らの作品はスキャンしない」などと回答したが、その後も受注し続けているため、提訴したという。 」




やはり、こういうことになりますよね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/271804115.html

著作権法30条1項は、「著作権の目的となつている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、…その使用する者が複製することができる。」と定めており、私的使用のための複製は認めていますが、飽くまで、認められているのは、「その使用する者」が複製することだけです。

自炊業者側の言い分としては、私的使用のための複製を、本人のかわりにやってあげているだけ、すなわち履行補助者に過ぎないのだから、許容の範囲内だ、ということになるのでしょうね。

個人的には、確かに、例えば、家族が本人のかわりにということであれば、許容の範囲内だと思いますが、代金を貰って、業として行っている自炊代行が、履行補助者という概念に当てはまるようには、思えません。

いずれにしても、原告側としては、今回は、「無断スキャンが著作権侵害にあたるという確たる判決を得たい」ということですので、そのうち、結論が出ることでしょう。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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