以下は、日経電子版(2012/11/12)からの引用です。
「金融庁の公認会計士・監査審査会は12日、2012年度の公認会計士試験合格者を発表した。
合格者は前年比11%減の1347人と会計士増を目的に現試験制度を始めた06年以降では最少。
試験合格後も実務経験を積めず資格を取得できない未就職者の増加に一定の歯止めがかかる一方、当初狙った「会計士5万人構想」は頓挫しつつある。
公認会計士資格を得るには試験合格後の実務経験が必要だが、就職先がなく資格を取得できない未就職者が大量発生したため、金融庁は合格者数を減らしている。
合格発表を受け、4大監査法人は採用活動を始める。
新日本監査法人やあずさ監査法人が300人程度を予定するなど、4法人は採用数を計950人と前年比5割増やす計画だ。
ただ、一方で受験者数も減少。
TACなど受験予備校では志望者が減っているという。
公認会計士は現在約2万4千人と、新試験制度の導入方針を決めた02年当時より約1万人増えたが、会計インフラの整備は今後、簡単に進みそうにない。」
以下は、同じく、日経電子版(2012/11/12)からの引用です。
公認会計士の合格者、11%減 今年1347人
「金融庁の公認会計士・監査審査会は12日、2012年の公認会計士試験の最終合格者が前年比11%減の1347人だったと発表した。
合格者数は06年に新試験制度に移行して以降で最少。
願書提出者数も大幅に減ったため、合格率は7.5%と1ポイント上昇した。
合格者の最高年齢は59歳、最年少は18歳で、平均年齢は26.6歳。
女性の合格者は249人で全体の18.5%を占めた。
合格者の職業は、7割以上が「学生」「専修学校・各種学校受講生」だった。
審査会によると、会計士の大口就職先である大手監査法人で一定の採用増加が見込めることや、一般企業の採用が増えていることなどから「試験合格者を取り巻く環境は改善している」という。」
規制緩和の掛け声の下、公認会計士試験も、司法試験同様、大幅増員路線に大きく舵を切りましたが、リーマンショックの影響などで、いち早く、需要と供給のつり合いが取れなくなり、その結果、志望者が大幅に減少し、合格率は上昇しても、合格者は減少する事態となりました。
司法試験も、同様の経過を辿るのではないかと思いますが、このような事態は、到底、インフラの整備などという代物ではなく、単なる業界の弱体化だと思います。
同じ士業でも、税理士試験は、大幅増員ということにはなりませんでしたが、長らく税務署に勤務した国税従事者(いわゆる税務署OB)は、試験を受けなくても税理士となることができ、税務署OBが税理士全体の実に約3分の1を占めていることと、全く関係がないとは思えないのは、私だけでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ