以下は、毎日jp(2012年11月08日)からの引用です。
「法務省は8日、法科大学院修了者以外でも合格すれば司法試験の受験資格を得られる予備試験の合格者を発表した。
2回目の今回は合格者が219人(合格率3.0%)で、昨年の116人(同1.8%)から大幅に増えた。
今年の司法試験の合格者発表(9月)では昨年の予備試験合格者の合格率(68.2%)が法科大学院修了者の合格率(24.6%)を大きく上回ったため、予備試験合格者の数を増やすことで予備試験組の司法試験合格率を下げようとしたとみられる。
予備試験は本来、経済的な事情で法科大学院に通えない人や社会人を対象に設けられた「例外ルート」だが、受験資格の制限はない。
このため、今回も、修了すれば司法試験を受けられる法科大学院生が合格し、合格者全体の約3割を占めた。
今回は7183人(前年比706人増)が受験。
合格者は来年5月の司法試験を受験できる。
大手司法試験予備校「辰已法律研究所」の後藤守男所長は「そもそも全志願者のうち大学生が約22%、法科大学院生が約8%を占めている。また合格率も法科大学院生約11%、法科大学院修了生約5%、大学生約4%、大学卒業生約2%の順に多い。予備試験の本来の趣旨と異なり、このままでいいのか、議論が必要だ」と指摘している。」
法務省のホームページには、出願者数、受験状況、短答式試験、論文式試験、そして今回の口述試験(最終結果)と、結果が日々刻々と掲載されていました↓
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji07_000101.html
昨年は、受験者数6477名に対し、最終合格者数116名で、合格率は約1.8%↓
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji07_00032.html
今年は、、受験者数7183名に対し、最終合格者数219名で、合格率は約3%。
予備試験は、法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とする試験なのですから(司法試験法5条1項)、予備試験組の司法試験の合格率が、法科大学院組の合格率を大きく上回ること自体がおかしな話です。
結果的に前回の予備試験のハードルは余りに高すぎた訳ですから↓、「法科大学院課程の修了者と同等」という適正Iな高さにハードルを下げたことにより、合格者・合格率が増えたのは、むしろ当然のことだと思います。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/234649994.html
現役の大学生や法科大学院性が、予備試験を受験・合格して、司法試験を受験・合格することに対しては、立場によって色々な評価はあると思いますが、私自身は、優秀な人が飛び級できないことの方がおかしいと思いますし↑、不適合の評価が続出している法科大学院に魅力を感じないは当然のことだと思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/294986557.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/294266925.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/275256414.html
予備試験を設けた理由が何であれ、受験する側に選択の余地がある以上、自らに最も有利と思われる方法を選択するのは、当然のことです。
予備試験の受験要件に、所得制限や年齢制限を設けるなどということは、絶対しないで欲しいものです。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ