以下は、MSN産経ニュース(2012.10.30)からの引用です。
「横浜市のホームページに小学校襲撃予告が書き込まれ、男子大学生(19)が誤認逮捕された事件で、家裁は30日、非行事実はなかったと判断し、大学生の保護観察処分を取り消す決定をした。
刑事裁判の再審無罪に当たり、いったん確定した処分が取り消されるのは極めて異例。
家裁送致した横浜地検は23日、大学生が事件に関与してなかったことを示す資料を家裁に提出し、処分取り消しを申し立てていた。
少年法では非行事実が存在しないことが明らかになった場合、家裁は保護観察や少年院送致などの処分を取り消す決定をしなければならないと規定している。
大学生は7月、横浜市内の小学校への襲撃予告を書き込んだとして逮捕されたが、その後、真犯人を名乗る人物から犯行声明のメールが届くなどして誤認逮捕だったことが判明。
神奈川県警と地検が20日にそれぞれ大学生の実家を訪問して大学生と両親に謝罪した。
捜査関係者によると、県警の再聴取に大学生が「(県警の調べで)『認めれば少年院に行かなくて済む』と言われた」などと話したといい、自白の誘導など不適切な取り調べがあった可能性もあるとみて県警と地検が検証を進めている。」
やはり、処分取消ということになりましたね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/298521933.html
極めて異例という割には、ごく最近にも別件もあるようで、必ずしもネット犯罪に弱いからというだけが理由ではないようです。
という訳で、以下は、毎日jp(2012年10月25日)からの引用です。
集団準強姦:元少年の保護処分、取り消し確定 /京都
「集団準強姦(ごうかん)の非行内容で中等少年院送致の保護処分となり、今月10日に京都家裁が処分取り消しを決定した当時18歳の元少年について、京都地検は、抗告受理申し立て期限の同日、申し立てしないことを発表した。」
やっていないのがはっきりしたのなら、成人の再審無罪のように、いつでも取消可能なのが当然だと思うでしょうが、必ずしもそうではありません。
最高裁判所第一小法廷平成3年5月8日決定↓は、その当時の少年法による保護処分の取消につき、「少年法27条の2第1項は、保護処分の決定の確定した後に処分の基礎とされた非行事実の不存在が明らかにされた少年を将来に向かって保護処分から解放する手続等を規定したものであって、同項による保護処分の取消しは、保護処分が現に継続中である場合に限り許され、少年の名誉の回復を目的とするものではない。」とした原判決を正当としており、処分が終わってからの取消は認められていませんでした。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57918&hanreiKbn=02
「保護処分が終了した後においても、審判に付すべき事由の存在が認められないにもかかわらず保護処分をしたことを認め得る明らかな資料を新たに発見したときは、前項と同様とする。」という改正少年法第27条の2第2項が施行されたのは、平成13年4月1日と、実に上記最高裁判決から約10年が経過した後のことです。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ