以下は、朝日新聞デジタル (10月20日)からの引用です。
「横浜市のホームページに小学校への襲撃予告が書き込まれた事件で、神奈川県警や横浜地検の幹部が20日午後、威力業務妨害容疑で逮捕した大学生(19)に対し、誤認逮捕を認め、大学生と家族に謝罪した。
県警によると、大学生は7月1日に逮捕され、一時、容疑を認める内容の上申書を書いたが、その後は否認。
地検の取り調べに再び容疑を認めたとされ、8月15日に保護観察処分を受けていた。」
更に、以下は、朝日新聞デジタル(2012年10月22日)からの引用です。
「自供しないと少年院、と言われた」誤認逮捕の大学生
「横浜市のホームページに小学校への襲撃予告が書き込まれた事件で、神奈川県警に誤認逮捕された男子大学生(19)が、県警の再聴取に、取り調べをした警察官や検事に自供を促されたという趣旨の説明をしていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
県警は捜査を検証している。
都内の弁護士らに「真犯人」を名乗る人物から犯行声明メールが届いたことを受け、県警は17日に大学生を再聴取した。
捜査関係者によると、大学生はその際、「県警の取調官に『認めないと少年院に行くことになる』と言われた」「検事に『認めないと長くなる』と言われた」と話した。
取調官は県警の調査にこの発言を否定しているという。
大学生は7月1日に逮捕され、否認したが、同月4日に容疑を認める上申書を提出。
その翌日、否認に転じ、横浜地検が家裁送致する前日の同月19日に再び容疑を認めたとされる。」
一連の事件も、騒動自体は、終焉が近いようです。
犯人ではないということですので、既に確定してしまっている保護観察処分については、成人の刑事事件でいうところの再審手続同様、処分取消の手続がなされることになるのでしょうね。
「確証がある」「認めたら罪が軽くなる」というのも常套句だと思いますし↓、「認めない→反省していない→刑が重くなる」「認めない→取調べが続く→長くなる」というのも同様だと思います。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/297062913.html
実際に行っていない犯罪を自白してしまうことなんてあるのかしらと思う方も少なくないと思いますが、今回逮捕された4人のうち、2人は自白してしまった訳ですから、虚偽自白の可能性は、実に50%ということになります。
捜査関係者には、充分に肝に銘じて欲しいと思いますが、裁判官、そして裁判員になる可能性がある市民の方々にも、虚偽自白は充分に起こり得ることだということを、理解して欲しいと思います。
犯人に仕立て上げられた被害者の方々にとっては、本当に災難でしたが、色々な意味で、ネット社会への警鐘となった事件でした。
どの程度の力量があれば、この犯人のようなことが可能なのかは、私には皆目検討がつきませんが、各方面で、それを上回る力量の人材を、採用・育成しなければなりませんね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/297062913.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ