2012年08月31日

髄液減少症:新基準で認定 画像判定を採用 横浜地裁


以下は、毎日jp(2012年08月26日)からの引用です。

「交通事故で脳脊髄(せきずい)液減少症を発症したかが争点となった訴訟で、横浜地裁(森義之裁判長)が7月、国の研究班が昨年作った新しい診断基準に沿って「減少症の疑いが相当程度あるといえる」と指摘した上で、加害者に2312万円余の賠償を命じる判決を言い渡していたことが分かった。

新基準に照らした患者の勝訴判決が明らかになったのは初。

これまでは認められにくかった後遺症も認定した。

加害者側は控訴したという。

減少症の訴訟で患者側の勝訴は極めてまれで、新基準で流れが変わるのか注目される。

新基準は昨年10月、国の研究班が作成した。

MRI(磁気共鳴画像化装置)やCT(コンピューター断層撮影)などの画像検査ごとに、どんな画像ならば髄液の漏れといえるのかを示し、医学界の統一基準と認められた。

それまでは「事故で髄液の漏れがどのくらいあるのか。どう診断すべきか」を巡る医学論争の中、国内外で三つの異なる診断基準が公表されていた。

判決によると、事故は05年に神奈川県内で発生。

男性(29)は自転車で乗用車と衝突し、一時気を失った。

検査で異常はなく、「脳しんとう症」「頸椎(けいつい)捻挫」と診断された。

翌月になってひどい頭痛を訴え、翌年に髄液の漏れを止める「ブラッドパッチ」と呼ばれる治療を受け、症状はなくなった。

だが再び悪化し、10年1月までにさらに5回のブラッドパッチを受け、頭や背、腰の痛み、手足のまひなどの神経症状が残った。

判決は、減少症であるかについて、典型的な症状の「頭を上げていると悪化する頭痛」があり、ブラッドパッチで一定の効果があったことに加え、新基準が診断の参考と認める検査画像が複数あったことから、「確定的に認めることまではできないが、疑いが相当程度ある」と結論付けた。

さらに、後遺症との因果関係は「減少症による可能性が相当程度ある」と指摘。

また、事故前に症状がなかったことから、減少症でないとしても「事故によるものと認められる」とした。

程度は、自賠責法で定める9級10号(神経系統の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限)と判断した。

◇脳脊髄液減少症

脳と脊髄は硬膜で覆われ、硬膜内の隙間(すきま)は脳脊髄液で満たされている。

何らかの原因で髄液が減少すると、脳の位置を正常に保てなくなり、ひどい頭痛や吐き気、めまいなどの症状を引き起こす。

事故やスポーツなどの他、原因がはっきりしないまま発症することもある。

外見からは分からないため、周囲から「心の病」と誤解されることも多い。

治療法には、患者自身の血液を患部付近に注射し、漏れを止める「ブラッドパッチ」がある。

5月に先進医療に認められた。」



脳脊髄液減少症と認めるか、認めないかはともかく、この判決のように、医学会の統一基準を考慮しないようでは、裁判官として失格だと思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/272951100.html

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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