以下は、なぜかこちらが一番詳しかったので、中国新聞ONLINE(2012/8/20)からの引用です。
「日弁連が相続や医療過誤など特定の分野に精通した専門弁護士を認定する制度の創設を検討していることが19日、分かった。
依頼する弁護士の力量が分かりにくいとの利用者の不満を解消するのが狙いだが、各地の弁護士会から「専門の基準が不明確」などと反対の声が上がっており、実現するかどうかは不透明だ。
日弁連幹部は「得意分野を積極的に打ち出すことで顧客が増え、弁護士の経営難を打破するきっかけになる。納得してもらえる制度をつくりたい」と話している。
日弁連の執行部が作成した提案書などによると、参考にしたのは高度な技量や豊富な経験を持つ医師を学会が認定する「専門医」制度。
専門弁護士制度では「離婚・親権」「相続・遺言」「交通事故」「医療過誤」「労働問題」の5分野でスタートし、3年以上の実務経験や3年間で10件以上の処理件数、日弁連での20時間の研修を認定の要件とした。
昨年10月に提案書を内部の委員会や全国の各弁護士会に配布し、意見を募集。
その結果「処理件数を増やそうと事件を粗雑に扱いかねない」「相談件数の少ない地方に不利な制度だ」などの反論が寄せられた。
日弁連の岡田理樹前事務次長は「市民が利用しやすく、質の高いサービスを提供したいという思いはすべての弁護士が共有している」と強調。
「反対意見を考慮した制度設計を考えたい」と話している。
日弁連では2007年11月から、インターネット上で弁護士検索サービス「ひまわりサーチ」を開設し、業務内容や重点分野の情報を提供。
ただ、登録は任意で自由に記載できるため「何の保証もない状態」(日弁連関係者)という。」
私自身は、医療過誤にもそれなりに積極的に取り組んでいるつもりですが、医療過誤1件で他の事件の10件分位の労力がかかりますので、3年間で10件以上の処理件数というのは、なかなか厳しいものがありますね。
駄目元で何でも受任して敗訴して良いのであれば別ですが、そういう訳には行きませんし。
医療過誤以外の分野は、楽々クリアーだと思いますが、逆に言うと、「離婚・親権」「相続・遺言」「交通事故」「医療過誤」「労働問題」の5分野のうち、医療過誤以外は、それ程専門性がある分野だとは思いません↓
http://www.satsuben.or.jp/column/2009/03/post_37.html
それにしても、ただでさえ、新人弁護士にとって厳しい状況だと言うのに↓、3年以上の実務経験や3年間で10件以上の処理件数を認定の要件とするということは、新人弁護士にはまともな仕事はまわさない、先輩弁護士の下請けでもやっていろということなのですかね。
ttp://morikoshi-law.com/asahishinbun_110825.html
http://morikoshi-law.com/cyuunichishinbun_110923.html
http://morikoshi-law.com/yomiurishinbun_111009.html
http://morikoshi-law.com/asahishinbun_111215.html
個人的には、経験豊富なことが、絶対ではないと思います。
初めての事件は、弁護士自身にとっては、勿論、大変でしょうが、法律や判例や文献を一生懸命調べることにより、経験不足を補うことは、充分可能です。
初めての事件だからこそ、がむしゃらに頑張って、思わぬ成果をあげるということは、往々にしてあることです。
ベテラン弁護士であっても、新しい法律ができたり、新しい紛争類型が発生する度に、法律の勉強をしたり、紛争の解決方法を考えたりするのは、弁護士として当然のことであり、新人弁護士が、初めての事件に取り組むのも、同じことだと思います。
経験値が高いことは、勿論プラスに働くことも多いでしょうが、「だいたいこんなもの」ということになる可能性も否定できません。
要は、情熱、熱意、日々の切磋琢磨、初心忘るべからずだと思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ