以下は、毎日jp(2012年08月09日)からの引用です。
「和牛オーナー制度で出資金を集めていた「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県那須塩原市)が経営破綻した問題で、同社が過去20年に集めた約3700億円に上る出資金のうち半額以上をオーナーへの配当に充て、実質的に「自転車操業」だったことが破産管財人の調査で分かった。
破綻から9日で1年。
出資金の大半は返還されない見通しだ。
管財人が過去20年間に出資者から集めた約3700億円の使途を調べたところ、約2000億円(54%)が配当金としてオーナーに戻され、残りの約1700億円も畜産事業の赤字補填(ほてん)などに使われていたことが分かった。
全体の収支は76億円の赤字という。
和牛オーナー制度は安愚楽牧場が飼育する繁殖牛の権利を販売し、同社が生まれた子牛を譲り受けるシステム。
同社は配当金を支払った上、契約終了時に出資金を払い戻すことになっていた。
配当金を出すには子牛販売で利益を出す必要があったが、実際は販売価格が想定を下回り大幅な赤字だった。
消費者庁の立ち入り検査では、繁殖牛の頭数はオーナーの契約頭数の55〜69%だったことも判明。
同社元役員は「契約が成立するたびにみんなで『牛が足りない』と言っていた」と証言しており、制度自体が成り立っていなかった疑いがある。
全国安愚楽牧場被害対策弁護団長の紀藤正樹弁護士は「牛の販売は名目に過ぎず、金を集めるための手段だった。実際の収支は火の車で、その状況を隠して金を集め続けたのは悪質だ」と指摘する。
安愚楽牧場を巡っては、これまでに大阪、愛知など4府県警に弁護団から詐欺などの容疑で告訴状が提出されたほか、警視庁などに被害相談が相次いでいる。
同社が破綻時にオーナーから預かっていた出資金の総額は約4200億円。
警察当局が経営陣を立件すれば、豊田商事事件(被害総額約2025億円)を上回る過去最大の詐欺商法事件に発展する可能性がある。」
安愚楽牧場のホームページには、6月8日付で、破産管財人の「債権者からの主な質問に対する回答」が掲載されています↓
http://www.agura-bokujo.co.jp/g-navi/news/120608.pdf
項目によっては、報道より詳しい事実関係が記載されていますが、やはり、届出債権の認否を留保しているとのことですので、配当の見込みは低いと考えているということになると思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/273551994.html
当初から詐欺の意図があったかどうかは別として、出資者に配当金を支払った上で、契約終了時には出資金を払い戻すという約束だったのに、出資者から集めた約3700億円うち約2000億円(54%)ものお金が配当金としてオーナーに戻され、残りの約1700億円も畜産事業の赤字補填などに使われていたということですから、どこからかの時点からは、出資金を払い戻すことが不可能であることを充分認識しながら、出資金を募っていたということに他なりませんし、実際の牛の頭数が、契約頭数の55〜69%だったとのことですから、AIJとほぼ同じ構図ということになると思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/280286867.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ