以下は、毎日jp(2012年07月20日)からの引用です。
「東京都中央区の「銀座眼科」(閉鎖)でレーシック手術を受けた男女54人が、溝口朝雄元院長(50)=業務上過失傷害罪で禁錮2年が確定=と保険会社2社に総額計約4億3000万円の損害賠償を求めた訴訟は20日、東京地裁で和解が成立した。
原告側弁護団によると、訴訟外で交渉していた6人を含む60人に対し、元院長が契約していた医師賠償責任保険から計約2億6000万円(1人当たり57万〜2193万円)を支払うなどの内容。
60人は1都8県の21〜69歳の男女で08年9月〜09年1月、銀座眼科でレーシック手術を受け、角膜炎や角膜潰瘍を発症。
「元院長が手術器具の消毒や滅菌をしなかったことが原因」などと訴えていた。
現在も、39人が視界が悪くなるなどの後遺症があるという。」
また、以下は、MSN産経ニュース(2011/09/28)からの引用です。
レーシック集団感染 銀座眼科元院長に禁錮2年
「近視矯正のレーシック手術で患者7人に感染症を発症させたとして、業務上過失傷害罪に問われた銀座眼科(閉鎖、東京都中央区)元院長で医師、溝口朝雄被告(49)の判決公判が28日、東京地裁で開かれた。
近藤宏子裁判官は「被害者は失明の恐怖にさいなまれ、人生を狂わされた。刑事責任は誠に重い」として、溝口被告に禁錮2年(求刑禁錮3年)を言い渡した。
近藤裁判官は溝口被告が手術の際、刃の交換や手袋の装着を行わなかったことについて、「多額の負債を抱える中で経済的利益を優先させ、時間のかかる丁寧な洗浄や滅菌を怠るようになった」と指摘。
「発症者が出た後も対策を講じず、約3カ月半にわたり被害を拡大させた」と非難した。
判決によると、溝口被告は平成20年9月から21年1月、衛生管理を徹底せずにレーシック手術を行い、東京都内に住む男性ら20〜50代の7人に細菌性角膜炎を発症させた。
被害者弁護団によると、起訴内容に含まれなかった被害者は100人を超えるとされ、うち55人が溝口被告に計4億円以上の損害賠償を求め、東京地裁に提訴している。
溝口被告は公判で「医師として社会復帰し、被害者への賠償に努めたい」と話していた。」
溝口医師自身は、元々多額の負債を抱えており、銀座眼科も閉鎖していますので、支払能力は皆無だと思いますが、医師賠償責任保険から、全額支払われたとのことです。
医師賠償責任保険には、年間総補填限度額(1億円)や免責(100万円)がありますが、限度額を6億円にする特約や、免責部分もカバーする保険もあるようで、これらに加入していたということでしょうね。
そうでなければ、100万円までの損害については保険からは支払を受けられないですし、総額2億6000万円もの支払いは受けられなかったでしょうから、不幸中の幸いではあります。
とは言え、「メガネやコンタクトレンズなしで良く見えるように」と思い手術を受けたのに、視界が悪くなるなどの後遺症と一生付き合って行かなければならないというのは、とても辛いことです。
なにごとも、価格だけで決めるのは、いかがなものかと思いますし、ホームページの内容を鵜呑みにするのも、いかがなものかと思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/278847541.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ