以下は、MSN産経west(2012.6.21)からの引用です。
「大阪府警淀川署刑事課に勤務していた男性警部補(41)が昨年夏ごろ、恐喝事件で逮捕した容疑者の自宅から押収し、証拠品として保管していた他人名義のキャッシュカードなど数十点をシュレッダーにかけるなどし、破棄していたことが21日、府警への取材で分かった。
府警は同日、証拠隠滅と公用文書毀棄容疑で警部補を書類送検。
府警によると、警部補は事実関係を認め「余罪捜査が大変だった」と話しているという。
廃棄されたのは、昨年1月に逮捕された容疑者の自宅から押収された、他人名義の複数のキャッシュカードなど数十点。
今年3月に関連事件の捜査で発覚した。
府警によると、その後、捜査書類の記録などから捜査した結果、窃盗などの犯罪の被害品でないことは確認されているという。」
東京電力女性社員殺害事件のように、マスコミは、逆転無罪というようなセンセーショナルな事件を取り上げることが多いですが、警察官は、どんな事件でも、何としてでも犯人を挙げる方向に傾きがちかというと、決してそういう訳ではありません。
確かに、重大事件では、迷宮入りという不名誉は何としてでも避けたいのか、その傾向が強いように思いますが、その他の事件では、本件のように、面倒な仕事はしたくはないという傾向が、むしろ強いように思います。
長崎のストーカー殺人事件などはその典型ですが、我々弁護士が告訴状・告発状を持参しても、「取り敢えずお預かりしておきます」などと言って、正式に受理しないことは、日常茶飯事です。
それにしても、恐喝事件で逮捕した容疑者の自宅に、他人名義のキャッシュカードなどが数十点もあり、関連事件の捜査で破棄が発覚したということからすると、窃盗などの犯罪の被害品ではないとは言っても、何の犯罪とも関わりがないとは思えませんが。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ