以下は、朝日新聞デジタル(2012年5月30日)からの引用です。
「和牛オーナー制度が行き詰まり、破産手続き中の安愚楽牧場(本社・栃木県)の初の債権者集会が30日、東京都内で開かれた。
負債総額約4264億円に対し、牛などを売って回収できた金額(4月末時点)は約23億円(0.5%)であることが明らかになった。
負債の大半は、7万人余りのオーナーの出資金で、返済はほとんど見込めない状況にある。
集会は非公開で、オーナーら約2千人が参加。
被害対策弁護団などによると、昨年11月に破産手続きへの移行が決まってから約1カ月の間に、13万頭の牛や牧場はほぼ売却され、経費を差し引いた残高は約23億円。
また、今後は東京電力に対する原発事故の損害賠償請求や、税金の還付の手続きなどを進め、資金の回収を図るという。
管財人は、事態がここまで悪化する前に国が監督できたはずだとして、国家賠償請求も「視野に入れて調査する」と言及した。
参加者からは「もっと早く手続きを進めてほしい」「国の責任を厳しく追及してほしい」と声があがったという。
東京地裁から出席を求められていた三ケ尻久美子社長は、病気を理由に欠席したという。
被害対策弁護団の紀藤正樹弁護士は集会後に記者会見し、「経過が明らかになった点は評価できるが、財産の流出を防ぐことに時間をとられ、全体像を把握しきれていない。責任追及は手つかずだ」と指摘した。
次回は来年1月22日に開かれる予定だという。 」
債権者集会の資料は↓
http://www.agura-bokujo.co.jp/g-navi/news/120531.pdf
これまでの間に、40億円余りの収入があった一方、17億円余りの支出があり、差し引き残高が23億円余り。
資産全体の簿価は140億円余りですが、評価額は約40億円、負債総額約4264億円の1%足らずということになります。
債権者らに対する配当の見込みがあれば、債権者集会において、管財人の報告と合わせて、届出債権の認否という手続が行われることになるのですが、今回の債権者集会では、この手続きが行われた形跡がありません。
ということは、残念ながら、裁判所や管財人は、少なくとも現時点では、配当の見込みは低いと考えているということになると思います。
だからといって、2次被害に遭わないよう、ご注意を↓
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120502_1.html
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ