以下は、毎日jp(2012年05月31日)からの引用です。
「福岡市の全職員に対し、高島宗一郎市長(37)が公私を問わず外出先での1カ月禁酒を要請した「禁酒令」。
飲酒絡みの不祥事が相次いだことを受けての策だが、「強権的」「私生活への介入」などの批判もある。
異例の通知の詳細、また発令者・高島市長の人柄は?
「批判を覚悟して飲酒が絡んだ不祥事の連鎖を止めるために決断した。これまでのやり方で変わらないなら私自身がリーダーシップを発揮することが大事と思う」。
29日の定例記者会見で、高島市長は自らが21日に発した「禁酒令」についてそう語った。
「禁酒令」は、職務命令でなく高島市長名の通知だ。
期間は今月21日〜6月20日。
違反しても直ちに処分対象にはならないが、教育・指導が行われる。
この間に飲酒して不祥事を起こせば、通常より処分が重くなる。
結婚式や親類との付き合いでも原則禁酒で、ソフトドリンクでの対応を求められる。
結婚式での新郎新婦の三三九度などは例外だ。
今のところ職員約1万6300人(教員含む)の多くは“容認派”らしく、港湾局のある職員は「仕方がない。お酒の誘いは断り、自宅で飲むのもやめる」。
同僚への傷害容疑で1人が逮捕されたこども未来局は「禁酒令」の7月末までの延長を決めた。
禁酒令の背景には、06年の市職員(当時)の飲酒運転による3児死亡事故があり、以降も飲酒絡みの不祥事が絶えないだけに一定の評価を得ているようだ。
だが、1万人以上の市職員が外出時に禁酒する影響は大きい。
福岡名物の屋台は市役所周辺にも多く、屋台店主(62)は「売り上げは3、4割落ちた」と椅子に座り込んだ。
高島市長は大分市出身。
独協大から97年にKBC九州朝日放送入社。
アナウンサーとして朝の情報番組のキャスターも務めた。
10年11月の市長選に「福岡をアジアのリーダー都市に」と訴えて立ち、同市長としては最年少の若さで初当選した。
「発信力」強化を訴えテレビ出演やツイッターなどを駆使してお茶の間に浸透。
最大の懸案だった市立こども病院移転問題では、反対派も入れた調査委員会をネット中継などで公開、世論をまとめて移転を決定した。
就任半年の記者会見では「自己採点は120点」と胸を張った。
市幹部によると市長はほとんど酒を飲まない。
飲酒した港湾局職員ら2人が暴行容疑などで逮捕された翌19日には「公務員の飲み会は激しい印象がある。数もめちゃくちゃ多い。酒の飲み方という部分で風土に問題がある可能性がある」と語った。
テレビ出身者だけに「禁酒令」も世論の風を読んだ巧妙な一手と言えそうだ。
職員への「入れ墨調査」を断行して議論を呼んでいる橋下徹・大阪市長との共通点を指摘する声もある。
高島市長の側近は「問題提起して議論を巻き起こし、スピード感を持って政策を実現する橋下さんに(高島市長は)関心を持っている」と話す。
一方、ある市議は「市職員の不祥事なのに、トップとしての責任をどう取るつもりなのか。感情のまま怒鳴り散らし、『禁酒令』で職員に連帯責任を取らせるだけでいいのか」と憤る。
地方自治に詳しい新藤宗幸・東京都市研究所常務理事は「組織のトップと世論が変な共鳴をしている点が橋下市長と似ている。しかし、勤務時間外まで首長が口を挟む権利はない。(禁酒令を認めれば)私生活への介入は当然という風潮を招きかねない」と警鐘を鳴らしている。」
入れ墨問題と、純然たるプライベートな時間の自宅外での飲酒とを、同列に論じるのはおかしいと思います↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/271420433.html
命令でもなく、処分でもないので、取消請求は門前払いの訴え却下ということになるでしょうから↓、文句の言いようがない。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/251353497.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/246865878.html
文句の言いようがないのに、事実上、純然たるプライベートな時間の使い方を制約されるというのは、おかしな話だと思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ