2012年05月24日

禁酒令:「やりすぎ」「実効性あるか」…強権発動に戸惑い


以下は、毎日jp(2012年05月21日)からの引用です。

「飲酒が絡んだ市職員の不祥事が相次ぐ福岡市で、職員に外出先での飲酒を1カ月間禁じる「禁酒令」が“発令”された。

前代未聞の強権発動に、市民からは理解を示す一方で、「ストレスがたまりそう」「やりすぎだ」との批判の声も聞かれた。

「1カ月ぐらい外で飲まなくても、家で飲めれば十分だ」。

続発する不祥事に、同市のタクシー運転手、馬場定一郎さん(54)は当然といった様子。

ただ「悪いことをしていない周りの職員が大変」と一部職員の不祥事に巻き込まれた形の職員に同情した。

これに対し、反発するのが同市博多区の無職、北野正さん(41)。

「市長といえども、そこまで制限をかけて良いものか。飲まないとストレスがたまるだろう。家で飲むのと外で飲むのは全然違う。やりすぎだと思う」と話した。

一方、禁酒対象は約1万8000人となる見通しで、市役所周辺の飲食店は売り上げ減にもつながるだけに、疑問の声が上がった。

同市中央区にある居酒屋「ゆめ屋」の渡辺えり子さん(60)は、2〜3カ月前から市職員の来店減を肌で感じる。

2月に消防局職員が酒を飲んで車を盗み逮捕された事件が起きた時期に重なり、3〜4月は歓送迎会も激減。

来店する市職員も、飲酒の自粛ムードを口にしていたという。

渡辺さんは「これだけ言われて飲酒で同じ過ちを繰り返すとは」とあきれながらも「禁酒令に実効性があるのだろうか」と困惑した表情を浮かべた。

今回の措置に、斎藤文男・九州大名誉教授(行政法)は「市長が怒り心頭なのは分かる。だが、世間的に分かりやすいかもしれないが、やりすぎだ。市長のパフォーマンスで、芝居を打っているようにしか見えない。今問われているのは職員のコンプライアンス(法令順守)意識の問題。職員研修の徹底など、抜本的な対策を取らないと解決にはつながらない」としている。」



ネットアイビーニュース(2012年5月22日)によると、↓が実際の文書のようです。
http://www.data-max.co.jp/assets_c/2012/05/05223_insyu-20726.html

大阪市職員の入れ墨は、勤務時間中でも市民の目に触れますのでので、問題だと思いますが↓、勤務時間外の純然たるプライベートにまで、市長にとやかく言われる筋合いはないと思いますし、そもそも、市長には、こんな禁止令を出す権限はないと思います。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/270057578.html

勿論、飲酒の上であろとう何であろうと、不祥事に対しては、相応の処分がなされるべきことは当然ですが、それとこれとは別問題で、逆の意味での公私混同だと思います。



と書いていたら、以下は、MSN産経ニュース(2012.5.23))からの引用です。

福岡市職員、昼酒し暴言 市長激怒「公務員への信頼、地に」

「福岡市から市住宅供給公社に派遣されている男性係長(58)が、平日昼間に仕事を休んだ上で、発注先関係の業者を誘って飲酒し、発注先建設会社の会長に電話をかけさせ、暴言ともとれる発言をしていたことが22日、公社への取材でわかった。

高島宗一郎市長は同日、報道陣に「事実なら最悪極まりない。公務員への信頼を地の底に沈めてしまう。厳しく処分する」と怒りをあらわにした。

公社によると、係長は4月26日朝に公社(福岡市博多区)に出勤後、業者を見つけ、食事に誘った。係長は体調不良を理由に休みを申請し、認められた。

2人は同市早良区の飲食店に行き、午前11時ごろから午後5時ごろまで、2人で生ビール10杯、瓶ビール数本、焼酎などを飲んだ。

飲食代金は係長が支払ったという。

また、その間、公社が塗装の仕事を発注している建設会社の会長へ電話をかけさせ、「あんたはなぜ俺にあいさつに来ない」などと言ったという。

公社は係長から事情を聴いた上で、「発注先関係者と飲食をともにし、酒を飲んでこうした発言をしたことは不適切だった。申し訳ない」としている。

高島市長は「酒に飲まれてしまっている職員が多い。他にも(飲酒絡みの)問題がないか調査し、この1カ月で膿を出し切る」と話した。」



発注先に「なぜあいさつに来ない」などという人間が、飲食代金を自分で持つとは思えませんが…。

無論、こういうのは論外ですが、だからと言って、禁酒令が正当化される訳ではありません。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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