以下は、MSN産経ニュース(2012.5.19)からの引用です。
「携帯電話で遊べるソーシャルゲームのアイテム商法「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」について、消費者庁は18日、景品表示法に抵触するとして、同法の運用基準を改正すると発表した。
7月1日から規制する。
コンプガチャは、オンラインゲーム上で購入したカードを複数そろえることを条件に、「レア(希少)アイテム」を提供する商法。
消費者庁は、希少アイテムが景表法で制限されている「景品類」に該当し、複数カード(有料)をそろえた消費者に景品を与えることを禁じた「カード合わせ」になるとしている。
同庁は、運用基準に違法例として具体的にコンプガチャの内容を加える。
同庁の片桐一幸表示対策課長は「どのようなアイテムが出てくるか分からず、過剰にのめり込ませるという意味で欺瞞(ぎまん)性が強く、子供の射幸心をあおる度合いが著しく強い」と指摘。
コンプガチャ以外にも同様の仕組みがあれば、7月以降処分の対象とする考えも示した。
コンプガチャをめぐっては、利用者が希少アイテム欲しさに数十万円を支払うケースがあるなど問題となっていた。
ソーシャルゲームを運営する「ディー・エヌ・エー(DeNA)」や「グリー」などは、サービスの提供を今月末で打ち切ることを発表している。」
消費者庁の公表資料は↓
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120518premiums_1.pdf
今回、景品表示法に抵触するとされたのは、異なる種類のカードを揃える「カード合わせ」だけですが、スロットマシンのように、同じ種類のカードを揃えるゲームも、射幸心をあおる度合いが著しく強いことは同様ですので、何らかの規制が必要ではないでしょうか。
消費者庁のホームページにも掲載されていますが↓、景品表示法による規制の目的は、「事業者が過大景品を提供することにより消費者が過大景品に惑わされて質の良くないものや割高なものを買わされてしまうことは、消費者にとって不利益になるし、また、過大景品による競争がエスカレートすると、事業者は商品・サービスそのものでの競争に力を入れなくなり、これがまた消費者の不利益につながっていくという悪循環を生むおそれがあるので、景品類の最高額、総額等を規制することにより、一般消費者の利益を保護するとともに、過大景品による不健全な競争を防止する」というものですので、オンラインゲームに対する規制とは、目的が異なるように思います。
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/keihin/keihingaiyo.html
いずれにしても、やや不明確なところがあったので、刑事罰もある措置命令の対象とするのは、慎重を期して、7月1日からというだけの話で、今回の消費者庁の見解により、合法だったコンプガチャが初めて違法になったという訳ではなく、過去に行われていたコンプガチャが違法だったことも確認されたということになると思います。
過去に支払った料金の返還を求める弁護団ができますかね。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ