以下は、YOMIURI ONLINE(2012年5月17日)からの引用です。
日本年金機構は17日、国民年金と厚生年金の加入者計約3030万人のうち、コンピューターで管理している年金記録と原簿の紙台帳の内容が一致していない人が、約21万2000人に上る可能性があることを明らかにした。
加入者1万2000人を対象にしたサンプル調査で判明したもので、同日の厚生労働省の年金記録回復委員会(磯村元史委員長)で明らかにした。
サンプルでは、コンピューター管理の記録と紙台帳の両方があり、それらが一致しなかったのは、国民年金の加入者5057人のうち7人、厚生年金と国民年金に加入する1890人のうち30人、厚生年金のみ加入する2853人のうち28人で、計65人だった。
このうち、資料の精査で年金加入記録が回復し、受給額が増えるのは48人で、平均73万1000円(生涯額)の増額となる。
また、5人は受給額が減り、平均5万8000円(同)の減額となった。
残る12人の受給額は変わらなかった。」
数年前まで、年金記録確認北海道地方第三者委員会↓の部会長として、毎週1回、丸々午後一杯、申立のあった方の年金記録に関する審査をしており、大さわぎとなっていた頃には、毎回、夜の7時過ぎまで、たくさんの案件の審査に明け暮れていました。
http://www.soumu.go.jp/kanku/hokkaido/nenkindaisansha/index.html
私が任期切れになる頃には、大分落ち着いた感がありましたが、国(厚生労働省)側に記録がなく、ご本人も領収書等の直接的な証拠を持っていない案件ですので、調査員の方々の苦労は、並大抵のものではありませんでした。
そんな案件を扱っていましたので、紙台帳との不一致は、当然確認済みだと思っていたのですが、未だ手付かずだったのですね!
今回のサンプル調査では、厚生年金の不一致が多いようですが、いつからいつまでどこに勤めていたか正確にわかる人ばかりではないでしょうし、給料が幾らで厚生年金を幾ら天引きされていたか正確にわかる人はごく少数でしょうから、本人の申出に頼っていては、いつまで経っても不一致は是正されないと思います。
受給額が増額となる人のためには勿論、減額となる人がいるとしても、不公平は是正しなければならないと思いますので、全件調査するしかないと思いますが、減額となる人に関するの調整は、難しい問題となりそうですね。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ