以下は、SankeiBiz(2012.5.15)からの引用です。
「経営再建中の日本航空が14日発表した平成24年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が2049億円となった。
23年3月期の営業利益1884億円を上回り、2期連続で過去最高を更新し、今秋の再上場に弾みをつけた。
ただ、会社更生法をテコにしたリストラ効果は少しずつはがれ落ちている。
破綻の教訓を肝に銘じ、堅実経営の実績を積み重ねなければ再上場後の“巡航飛行”は望めない。
14日の決算会見で、植木義晴社長は「ブランド力やサービス、コスト競争力の向上を確実に行う」と述べ、収益体質のさらなる強化に決意を示した。
売上高は前期比11・6%減の1兆2048億円と、東日本大震災の影響による旅客者の減少で落ち込んだが、不採算路線や大型機の廃止などによるコスト削減効果で増益を確保した。
25年3月期は、売上高が1・3%増の1兆2200億円、営業利益は26・8%減の1500億円、最終利益は30・3%減の1300億円を見込む。
日航の収益体質の改善は、順調なペースで進んでいる。
22年1月の経営破綻前と比べて従業員を約3割削減する大量リストラや採算性の低い路線の廃止を実行してきた。
しかし、再上場後の成長の道筋が描き切れているわけではない。
業績の急回復は、金融機関の約5200億円に上る債権放棄や資産再評価による航空機リース料の軽減効果が大きい。
リストラに伴う業務負担増や賃金カットで、一部の従業員にはリストラ疲れや繁忙感が強まっている。
国内線で今夏までに相次ぎ就航する格安航空会社(LCC)3社とは、羽田や成田と、札幌や沖縄、福岡を結ぶドル箱路線で競合しており、「(業績に)どう影響するか分からない」(植木社長)と懸念する。
欧州債務危機の再燃や燃料相場の高止まりなど、収益の圧迫要因は尽きない。
「好業績であっても慢心してはならない」。
14日の決算発表で、稲盛和夫名誉会長は、日航の破綻要因となった野放図な拡大路線に陥らぬよう戒めた。」
会社更生手続によるところが大とはいえ、ここまで劇的に経営が改善するのは、非常に珍しいのではないかと思います。
ただ、日本航空といえば、以前は、就職希望ランキング上位の常連でした。
今は再建中なので、圏外なのも当然でしょうが、従業員にとって魅力のある企業になれなければ、有能・優秀な人材は集まらず、本当の再建は果たせないのではないかと思います。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ