2012年05月15日

橋下市長「組織として異常、免職も」入れ墨職員


以下は、YOMIURI ONLINE(2012年5月14日)からの引用です。

「大阪市環境局の職員約3200人のうち約50人が、同局の調査に「入れ墨をしている」と回答したことを巡り、橋下徹市長は14日、市役所で報道陣に、「組織として異常だ。すぐ懲戒免職は難しいが、分限(免職)はあり得る」と述べ、人目に触れる部位に入れ墨をしている職員の分限免職を検討する考えを示した。

大阪市では、橋下市長の指示で、全職員を対象に入れ墨の有無を調査中。

橋下市長は、「(民間企業でも)大方は入れ墨を許していない、というのが僕の感覚。身分保障に甘えた公務員の世界だから、横行している」と指摘。

「市民の目に触れる公の職員が入れ墨をして、市民サービスをやるというのはおかしい」と主張した。」


橋下市長の発言には、疑問を感じることも少なくないですが、本件に関しては、概ね同感です。

入れ墨だけを特別視している訳ではありませんが、社会人であれば、身だしなみについても、注意を受けることは当然です。

就業規則にスーツ着用と書いていないからと言って、短パンとTシャツで出勤して良い訳ではありませんし、髪型やひげですら、個人の自由だから何でも許されるという訳ではないでしょう。

人目に触れない部位ならともかく、人目に触れる部位に入れ墨していても、何のおとがめもなしという方が、むしろ異常だと思います。

但し、いきなり分限免職というのはいかがなものでしょうか。

分限免職の場合には、退職金は支給されるものの、やはりいきなり失職というのは、余りに一方的ではないでしょうか。

今までが異常だったとしても、従前は何のおとがめもなかった以上、まずは人目に触れる部位の入れ墨を消すよう指導するなど、きちんと段階を踏むべぎだと思います。

ちなみに、最高裁判所昭和48年9月14日判決↓は、「地方公務員法二八条に基づく分限処分は、任命権者の純然たる自由裁量に委ねられているものではなく、分限制度の目的と関係のない目的や動機に基づいてされた場合、考慮すべき事項を考慮せず、考慮すべきでない事項を考慮して処分理由の有無が判断された場合、あるいは、その判断が合理性をもつものとして許容される限度を超えた場合には、裁量権の行使を誤つたものとして違法となる。」「地方公務員法二八条一項三号にいう「その職に必要な適格性を欠く場合」とは、当該職員の簡単に矯正することのできない持続性を有する素質能力、性格等に基因してその職務の円滑な遂行に支障があり、または支障を生ずる高度の蓋然性が認められる場合をいうものと解すべきである。」と判示しています。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51943&hanreiKbn=02

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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