以下は、毎日jp(2012年05月08日)からの引用です。
「携帯電話などで遊ぶソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のゲームの高額請求問題で、消費者庁は、くじ引きの要領で特定のアイテムをそろえると珍しいアイテムが当たる「コンプリートガチャ」(コンプガチャ)について景品表示法違反の可能性があるとして、業者に注意喚起する方針を固めた。
松原仁消費者担当相が8日の記者会見で明らかにした。
コンプガチャを巡っては、子どもがアイテム集めにはまり、親が高額な料金を請求されるなどの問題が起きており、同庁はこうした商法に一定の規制をすることも視野に検討する。
【グリー】最終利益2.8倍に 課金方法で業績懸念も
コンプガチャは、携帯電話などからインターネットを通じて遊べるゲームの新商法。
ゲームで使うさまざまな絵柄の電子カード(アイテム)を購入し、一定の組み合わせがそろうと「レアカード」などと呼ばれる珍しいアイテムが手に入る。
アイテムの購入費用は1回300円程度と少額だが、レアカードを手に入れようと子どもが夢中になり、知らないうちに高額をつぎ込んでしまうなどの問題が指摘されている。
国民生活センターには、ネットを通じた「オンラインゲーム」に関する相談が急増している。
09年度は1437件だったが、10年度は2043件、11年度は3439件にのぼった。
コンプガチャを巡る相談について明確な統計はないが、「中学生の息子がカード欲しさに親のクレジットカードでゲームを利用し、2カ月で46万円の請求が来た」「レアカードをもらうため2週間で64万円をつぎ込んだ」などの相談があったという。
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、異なる二つ以上の絵や文字を組み合わせる「カード合わせ」で、懸賞として景品を提供することを禁じている。
松原消費者相は8日の会見で、コンプガチャがこうした景品類の提供にあたる可能性を指摘。
「極めて射幸心をあおることは間違いなく、社会問題化している。一定の抑制的な方向を打ち出すことが必要だ」と述べ、近く業者に対し聞き取り調査を行う考えを示した。
SNS大手「グリー」の田中良和社長は8日の決算説明会で、コンプガチャを巡る問題について「さまざまな指摘や意見があった場合は、真摯(しんし)に耳を傾け、適切に反映させたい」と述べ、行政の判断には誠実に対応する考えを示した。」
また、以下は、YOMIURI ONLINE(2012年5月9日)からの引用です。
コンプガチャ、ゲーム6社が今月末までに中止
「携帯電話で遊べるソーシャルゲームの「コンプリート(コンプ)ガチャ」による高額課金問題で、「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エーや、グリーなどゲーム会社6社は9日、コンプガチャ商法を今月末までに中止すると発表した。
消費者庁から「景品表示法違反の可能性がある」との指摘を受けたためで、業界は同庁と協議しながら、コンプガチャなど違法な課金方法についての指針を今月中に策定する。
コンプガチャは、「ガチャ」と呼ばれる1回数百円の電子くじで指定されたアイテムをそろえ、希少なアイテムと交換する仕組み。
ディー・エヌ・エーとグリーのほか、同じ「ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会」に加盟するNHNジャパン、サイバーエージェント、ドワンゴ、ミクシィが中止を表明した。
さらに、こうした運営会社にゲームを提供する開発会社「KLab」も自社開発の11ゲームで中止を発表した。」
消費者庁のホームページ↓に、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の詳細が掲載されています。
http://www.caa.go.jp/representation/index.html
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は↓
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/090901premiums_1.pdf
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第3条に基づく懸賞による景品類の提供に関する事項の制限は↓
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_8.pdf
コンプガチャ商法は、上記制限の「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供」にあたる可能性があるということです。
法律違反ということであれば、今後、コンプガチャ商法ができないのは当然として、更に、過去に遡って、料金を返還しなければならなくなる可能性が大です。
ゲーム会社各社としては、行政の判断が出る前に、先んじてコンプガチャ商法を中止することにより、うやむやのまま終わらせたいのでしょうが、さてどうなるでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ