以下は、MSN産経west(2012.4.27)からの引用です。
「京都府亀岡市の市立安詳(あんしょう)小学校の児童ら10人が集団登校中にはねられ死傷した事故で、京都府警亀岡署の男性警部補が容疑者の少年(18)の父親(47)に被害者全員の連絡先一覧を無断で提供していた問題に絡み、被害者の携帯電話番号を父親側に伝えていたのは同小の男性教頭(51)だったことが26日、亀岡市教委への取材で分かった。
警察「無断提供したが、携帯は教えてない…」
教頭が漏らしたのは、死亡した松村幸姫(ゆきひ)さん(26)の携帯電話番号。
松村さんの娘が同小に通っており、教頭は「少年の親類から頼まれた。信頼できる人物だったので教えた」と説明しているという。
松村さんの遺族が25日、松村さんの携帯電話を複数回鳴らした少年の父親に、だれから番号を聞いたか問いただしたところ、父親が「警察から聞いた」と説明。
遺族が亀岡署に抗議し、警部補による連絡先の無断提供問題の発覚につながった。
警部補は少年の父親の求めに応じ、部下に命じて被害者10人全員の連絡先一覧を作成しており、府警監察官室は、松村さんの携帯電話番号も警部補が漏洩(ろうえい)した可能性があるとみていた。
しかし、連絡先一覧に松村さんの携帯電話番号は記載されておらず、警部補も「少年の父親に教えていない」と関与を否定。
少年の父親と親族も26日夜、報道各社の取材に「警察ではなく別ルートで入手した。入手先に迷惑がかかってはいけないと思い、とっさに警察からと言ってしまった」と話していた。」
以下は、同じくMSN産経west(2012.4.27)からの引用です。
【集団登校に暴走車】「考え甘かった。情けない…」携帯番号漏らした教頭
「京都府亀岡市の市立安詳小学校の児童ら10人が死傷した事故に絡み、亡くなった松村幸姫(ゆきひ)さん(26)の携帯電話番号を容疑者の少年の父親側に漏らしていたのは、同小の男性教頭(51)だった。
教頭は市教委が27日未明に開いた会見に出席し、「考えが甘かった」などと反省の言葉を繰り返した。
教え子の関係者だから…夫の番号だから…
会見は同市役所で開かれ、教頭のほか、竹岡敏市教育長と湯浅佳明校長が出席した。
冒頭で竹岡教育長が謝罪した後、教頭は「被害者の方につらい思いをさせた。反省している。自分が情けない」と述べ、終始うなだれたまま報道陣の質問に答えた。
電話番号を伝えた状況については、かつての教え子の保護者に当たる少年の親類から依頼されたと説明。
同小に通う松村さんの娘の調査票を職員室のロッカーから取り出し、緊急連絡先として記載された番号を口頭で伝えたとし、「松村さんの夫の番号だと思い込んでいた」と釈明した。
被害者の個人情報を漏らした理由を追及されると、「考えが甘かった」「冷静さを欠いていた」などと繰り返した。
警察も学校も信用できぬ
会見に先立ち、教頭は校長らとともに遺族宅を訪れ謝罪。
松村さんの父、中江美則さん(48)は産経新聞の取材に「学校からも漏らされ、何を信頼すればいいのか。怒りを通り越して言葉が出ない」と話した。」
警部補は、携帯電話の番号を教えた訳ではなかったとのこと。
遺族にしてみれば、だからどうしたという感じでしょうが、それにしても、こういう報告だけは、やけに迅速ですね。
いまどきの学校では、昔であれば当然のように配られていた住所や電話番号が記載された住所録がなくなり、連絡網ですら自分の前後やグループの電話番号しかわからなかったりすることもありますが、個人的には、余りに個人情報保護に過敏になり過ぎていると思います。
個人情報保護法からすれば、入学時の資料等から、勝手に作成して配布するという訳には行かないですが、保護者の同意があれば何の問題もないことですし、クラスメイトに住所や電話番号を明かすのは嫌だという保護者はいるのでしょうか。
ただ、今回の教頭の行為は、明らかに個人情報の利用目的の範囲外と言わざるを得ませんね。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ