以下は、YOMIURI ONLINE(2012年4月20日)からの引用です。
「化粧品製造販売会社「悠香(ゆうか)」(福岡県)が通信販売した「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧製品により小麦アレルギーを発症する健康被害を受けたとして、全国の被害者535人(10代〜80代)は20日、同社など3社を相手取り、製造物責任法(PL法)に基づき計約70億4600万円の損害賠償を求める訴訟を、東京や大阪、福岡など15か所の地裁・地裁支部に一斉に起こした。
提訴されたのは、悠香のほか、石鹸を製造した「フェニックス」(奈良県)、アレルギー症状を引き起こしたとされる小麦由来成分を製造し、フェニックスに卸した「片山化学工業研究所」(大阪府)。
2次提訴も検討中で、最終的に原告は1000人を超える見込み。
訴状などによると、原告らは石鹸を使用した際、まぶたや鼻の粘膜などから問題の成分を吸収し、アレルギーを発症したという。
原告側は、遅くとも2005年6月〜10年9月に販売された4000万個以上の石鹸に問題の成分が含まれており、「通常の使い方をしても、アレルギーを発症するという欠陥があった」と主張している。
東京地裁に訴えを起こした都内の30代主婦は、08年から石鹸を使い、10年4月、パスタを食べた後に呼吸困難に陥って意識を失った。
石鹸の成分で小麦アレルギーが発症したためだった。
今もパンを少量食べただけで、全身がかゆくなるという。
主婦は記者会見で「悠香とは個人的に交渉したが、責任を認めず不誠実な対応だったため、提訴に踏み切った」と話した。
悠香など3社は、「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。」
茶のしずく石鹸に関しては、消費者庁の対応の遅れを指摘する報道もありましたが↓、国も訴える訳ではないのですね。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/237885512.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/240031333.html
原因が判明する以前の被害者の方々も、大勢いるからでしょうね。
製造物責任法は、「当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていること」を「欠陥」としているので、原因が判明する以前の被害者も、「通常の使い方をしても、アレルギーを発症するという欠陥があった」ということで、損害賠償請求できると踏んだのでしょうね。
でも、被告らの支払能力は、大丈夫なのでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ