2012年03月30日

携帯電話:中途解約金徴収は適正 京都地裁判決


以下は、毎日jp(2012年3月28日)からの引用です。

「携帯電話の割引プラン(2年契約)を中途解約した際、解約金9975円を徴収する契約条項は消費者契約法に反するとして、京都市の適格消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」が、NTTドコモに条項の使用差し止めを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。

吉川慎一裁判長はネットワーク側の請求を棄却し、解約金を支払った利用者11人(13回線分)がドコモに計約13万円を求めた訴訟でも請求を棄却した。

ネットワークによると、携帯電話の定期契約で解約金条項をめぐる訴訟の判決は全国初。

ドコモが昨年末現在、契約している約6000万回線のうち5割超が訴訟と同じプランで、ネットワークが同様に訴えているKDDIとソフトバンクモバイルも同種の条項を設けており、判決は全国に影響を与えるとみられる。

判決によると、ドコモは2年契約の「ひとりでも割50」「ファミ割MAX50」のサービスを設け、基本料金を半額にする代わりに、途中解約すれば9975円を徴収する条項を設けている。

契約は自動更新され、満了月の翌月に解約しないと再び解約金が発生する。

ネットワーク側は「解約金は、ドコモに生じる損害以上の金額を一方的に消費者に負担させ、解約の権利も制限している」と主張。

ドコモ側は「契約は利用者の自由。長期契約を見込んで先行投資した多額の設備費などの回収のためにも必要」と反論していた。

国民生活センターによると、携帯電話の契約やサービスをめぐる相談件数は09年度以降、全国で毎年約1万件に上る。

このうち解約金問題の件数は把握していないが、「自分名義で2台契約し、うち1台を使用していた父が死んだため解約しようとしたら、解約金を請求された」(50代男性)などの相談があるという。」


私自身は、色々な割引プランができる前から半額なので、特に問題意識を持ったことはありませんでした。

永久に、満了月の翌月以外に解約すると解約金がかかるのだとすれば、やや腑に落ちないところはありますが、それが嫌なら、割引プランを利用しなければ良いだけの話ですので、消費者契約法により無効とまでは言えないと思いますし、キャッシュバックだ何だと言っている時代に、今更という感はありますね。


という訳で、以下は、SankeiBiz(2012.3.23)からの引用です。


日本通信、MNP悪用多発で契約条件変更 1年未満解約に違約金

「携帯電話市場最大の繁忙期である年度末商戦も終盤を迎え、番号持ち運び制度(MNP)による顧客争奪戦も追い込みに入った。

しかし、各社がMNP利用の契約者に5万〜7万円ものキャッシュバックを実施するなか、制度を“フル活用”して何度も契約と解約を繰り返すケースも多発している。

日本通信は20日、スマ−トフォン用のSIMカードで提供するデータ通信サービス「トーキングSIM U300」と音声通話付きデータ通信サービス「同 プラチナ」の契約条件を変更した。

これまで契約期間の縛りを設けないのが売りだったが、1年未満の解約には1万500円の違約金を徴収することにした。

MNPで他社に移るともらえるキャッシュバックが目当てと思われる短期解約者が急増したからだ。

同社によると、昨年12月から今年2月までの3カ月間で、契約後15日以内に解約したMNP利用数は520回線に達した。

前年同期は2回線なのをみても異常な増え方だ。

プリペイド携帯の1年未満の解約に違約金を設定したソフトバンクモバイルも同じ理由からだ。

他社から自社に契約変更する利用者には各社が通常の新規契約より手厚い割り引きやキャッシュバック制度を導入しているが、最大の商戦期である年度末には販売店向けの報奨金を積み増した結果、「10万円近く得だった」(MNPでソフトバンクモバイルからKDDIに変更した40代)ケースもあった。

業界関係者によると、5万円のキャッシュバックがあれば約1万円の違約金を支払っても手元に資金が残る。

なかには1人で何回も契約と解約を繰り返してキャッシュバックを得るケースもあり、日本通信でも「5回線契約して3日で解約したり契約を何度も繰り返す人が増えた」(同社幹部)と警戒する。

総務省では「事業者の自主的な対応策を待つしかない」とお手上げの様子。

積み上げた報奨金がMNP悪用を助長しているのでは本末転倒だ。」


短期解約繰り返すと、ブラックリストに登録されてしまい、どこの会社とも契約できなくなるのではないかと思われますので、決しておすすめすることはできませんが、目先のことしか考えない人も少なからずいるのですね。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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