以下は、毎日jp(2011年12月3日)からの引用です。
「裁判所法改正に伴い、国が司法修習生に給与を支給する「給費制」が廃止され、希望者に資金を貸し付ける「貸与制」に移行することになり、法曹を目指す人々に波紋が広がっている。
県内でも、司法修習生や法科大学院生などでつくる団体「ビギナーズ・ネット」のメンバーが、千葉市中央区の県弁護士会館で会見を開き、給費制の維持を訴えた。
弁護士や検察官、裁判官になるには、司法試験合格後、全国の裁判所などで1年間の司法修習が義務付けられている。
修習中はアルバイトが禁止されていることなどから、これまでは国から月額約20万円の給与が支給されてきた。
しかし、貸与制への移行で、修習生への給与はストップ。
国は希望者に月額23万円を貸し付ける措置を取るが、貸付金は修習生に借金としてのしかかることになる。
同ネット県支部代表の伊藤建さん(25)は「せっかく司法試験に合格しても、金銭的な問題で司法修習を断念する人が増える」と指摘する。
伊藤さん自身も今年9月、司法試験には合格したが、これまでの学費などですでに借金は1000万円を超えている。
貸与制導入で借金はさらに膨らむことから、法律家の道をあきらめたという。
伊藤さんは「修習生時代にも家賃や生活費、就職活動にかなりのお金がかかる。景気低迷などで弁護士になっても就職できる保証もなく、八方ふさがりの状態」と訴える。
貸与制で現金を借り受け、先月末から始まった司法修習に参加している玉真聡志さん(34)は「本当にやっていけるのだろうか」と不安な表情を浮かべる。
玉真さんは「貸与制は法律家を目指す人の足かせになり、多様な人材を確保するという司法制度改革の理念に逆行するのではないか」と話した。」
一方で、YOMIURI ONLINE(2011年12月3日)には、以下の記事が。
「司法修習生8割が貸与金申請、支出51億に半減
国が司法修習生に給与を支給する「給費制」に代わって「貸与制」が導入された11月、修習生になった2001人のうち、貸与を申請したのは約84%の1689人だったことが最高裁のまとめで分かった。
貸与総額は年間約51億円で、給費制と比べ支出が半減する。
貸与金は将来返還される上、当面の予算削減効果も大きいことが裏付けられた。
国はこれまで修習生全員に月約20万円の給与を支給しており、ここ数年の支給総額は年間約100億円に上っていた。
貸与制では希望者が月額23万円を基本に、18万〜28万円の範囲で無利子で借りることができ、修習終了5年後から10年かけて分割返済する。
最高裁によると、11月25日までの申請者1689人のうち、約71%が基本額の23万円を申請。
貸与総額は約51億7000万円にとどまるという。」
ものの見方の違いでしょうか。
それにしても、せっかく司法試験に合格できたのに、貸与制導入で借金が更に膨らむことが原因で、法律家の道を諦めざるを得ない方もいるとは…。
これも、自由競争・自然淘汰なんでしょうか。
札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ