2021年05月25日

ストーカー改正法が成立 GPS機器、アプリ規制 8月にも全面施行


以下は、共同通信(2021年05月19日)からの引用です。

「衛星利用測位システム(GPS)機器や居場所が分かるスマートフォンアプリの悪用を禁じた改正ストーカー規制法が18日、衆院本会議で可決、成立した。

デジタル機器やインターネットを使い巧妙化する手口の摘発が強化される。

改正は3回目で、8月にも全面施行の見通し。

警察庁によると、GPS機器は、相手の承諾なく車や持ち物へ取り付けるだけで違反となる。

位置情報の取得は、居場所が分かるスマホのアプリも対象にした。

被害者の住居や勤務先を主な規制場所としていた見張りや押し掛け行為は、会員制交流サイト(SNS)の書き込みなどから動向が特定されるケースが相次いだため、被害者の行動先にも拡大。

他に、手紙など文書の連続的な送り付けもメールと同様に規制する。

禁止命令は、書類交付が必要だったが、受領拒否や住居に帰らないストーカーもいることから、郵送や都道府県公安委員会の掲示板張り出しなどでも有効とした。

罰則は最大で懲役2年以下または200万円以下の罰金。

GPSで監視する手口は、昨年7月に最高裁が「見張り行為」に当たらないとの判断を示し、摘発が難しい状態が続いていた。

警察庁は同10月から有識者検討会を開催。

1999年に埼玉県で起きた桶川ストーカー事件で長女猪野詩織(いの・しおり)さん=当時(21)=を殺害された父憲一(けんいち)さん(70)も議論に参加し、検討会は今年1月に規制強化を求める報告書をまとめた。」





こちらが可決成立した法律案ですね↓


昨年7月の最高裁判決は↓ですが、最高裁判決から改正法の施行まで、ちょうど丸1年ですか。

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2021年05月18日

奨学金過払い、返還命じる 支援機構の不当利得認定 保証人ら勝訴、札幌地裁


以下は、共同通信(2021年05月14日)からの引用です。

「日本学生支援機構の奨学金制度で保証人などになった北海道の男女2人が、機構側から半額の支払い義務しかないことを伝えられず全額を求められたとして、過払い分の返還と慰謝料を求めた訴訟の判決で、札幌地裁(高木勝己(たかぎ・かつみ)裁判長)は13日、機構の「不当利得」を認めて計約140万円の返還を命じた。

保証人が機構に過払い分返還を求めた訴訟の判決は初。

慰謝料の請求は退けた。

原告は保証人だった元高校教諭の男性(75)と保証人の遺族の主婦(68)。

判決などによると、連帯保証人を含む人数で割った分しか返済義務がないという民法上の「分別の利益」が適用されることにより、原告らには半額しか肩代わりする義務がなかったが、機構の請求などを受け負担分以上の金額計約300万円を支払った。

原告らにはそれぞれ1人ずつ連帯保証人がいた。

機構は訴訟で、自ら適用を主張しなければ分別の利益は受けられないと訴えたが、判決理由で高木裁判長は主張は必要ないとして退けた。

負担分を超える弁済は無効と判断し、返還を命じた。

原告弁護団は札幌市内で記者会見し「判決を踏まえ、機構は保証人に請求する際、半分以上を払う義務がないことを明示すべきだ」と話した。

弁護団によると、2010〜17年度に機構が保証人に全額を請求したのは825件で、請求総額は約13億円に上る。

うち分別の利益の申し立てを受け応じたのは31件だった。

機構は判決後、「判決内容を精査し、適切に対応する」とコメントを出した。」





今はどうなっているのかわかりませんが、少なくとも、当時は、分別の利益を有しない連帯保証人(本人の親とかでしょうね)と、分別の利益を有する単なる保証人(本件のような第三者でしょうね)を意識的に使い分けていた訳ですから、結論的には、この判決の判断が、常識的ではないかと思います。

ただ、一般的に、保証人の分別の利益は、消滅時効などと同様、抗弁事由と言って、保証人側の主張を要するものとされているように思いますが、消滅時効の場合は、債務者側の援用を待って効果を生じるものとされているため、例えば、消滅時効を援用する前に、債務を全額弁済してしまうと、弁済によって、消滅時効を援用すべき債務はなくなってしまうので、その後に消滅時効を援用しようがないのに対して、分別の利益の場合は、単なる訴訟上の攻撃防御方法に過ぎないので、全額弁済後でも可能ということなのですかね。

消滅時効によって債務を免れるにしても、取得時効によって所有権等を取得するにしても、それを潔しとしない人に対してまで、勝手に効果を生じさせるのは何ですし、民法145条は、「時効は、当事者…が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。」と、「援用しなければ」と明記しているのに対して、保証人の分別の利益については、同法456条が、「数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第427条の規定を適用する。」と定め、同法427条は「数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。」と定めているだけで、特に「援用しなければ」という文言はありませんので。

でもって、弁済=債務承認後の消滅時効の援用は、信義則に反し許されないとされるのに対して、元々、分別の利益によって、支払義務がない部分を支払ったのだから、その返還請求は何ら問題がないと。

いずれにしても、最高裁まで行くのだと思いますが、さて、どうなるのでしょうか。

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2021年05月12日

B型肝炎原告団、協議要請 政府に早期解決呼びかけ


以下は、共同通信(2021年04月28日)からの引用です。

「注射器の使い回しによるB型肝炎訴訟で最高裁が、損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の起算点を再発時とすべきだと判断し、再発患者2人が勝訴したことを受け、全国原告団・弁護団は27日、早期解決に向けた協議を求める要請書を厚生労働省と法務省に提出した。

B型肝炎の特別措置法は、除斥期間の経過の有無で給付額に大きな差がある。

要請書は、26日の最高裁判決を受け「国には除斥期間問題を早期に解決し、不合理な差別なき救済の実現に向けて真摯(しんし)に取り組む責任がある」と指摘した。

具体的には(1)再発患者2人への謝罪と正当な救済(2)同様の再発事案で係争している全国の原告の救済(3)除斥期間を理由に救済を阻まれている他の原告らの早期解決に向けた協議―の3点を求めた。

原告団の田中義信(たなか・よしのぶ)代表(62)は、要請書提出後の記者会見で「長く苦しんでいる方々を早期に助けていただきたい」と訴えた。

弁護団は、先行訴訟では政府側が被害回復に乗り出すのが遅かったと主張。

代表の佐藤哲之(さとう・てつゆき)弁護士は「前の轍(てつ)を踏まず、速やかに対応してほしい」と話した。

田村憲久厚労相は、要請前に開かれた閣議後記者会見で「判決内容を詳細に分析し、適切に対応したい」と述べた。」





「先行訴訟」「前の轍を踏まず」というのは、B型肝炎訴訟弁護団が、平成元年6月に札幌地方裁判所に国に対する責任追及の裁判(B型肝炎訴訟)を起こし、平成18年6月には、最高裁判所の判決が下され、国の責任が認められたにもかかわらず、国は、その後も、B型肝炎ウイルス患者の救済に乗り出さなかったため、弁護団は、平成20年12月には、札幌地方裁判所に再度B型肝炎訴訟を起こし、その後は、各地に弁護団が結成され、東京、大阪、福岡など全国の地方裁判所に次々と裁判が起こされ、平成23年6月になって、ようやく、国が損害賠償に応じるためのルールを定めた「基本合意」が成立したという、B型肝炎訴訟の歴史そのもののことです↓

弁護団以外の弁護士に依頼して、安易に除斥を前提とする和解をしてしまった方が、いなければ良いのですが。

B型肝炎訴訟に関するお問い合わせは、こちら↓までお願いします。

〒064-0801
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全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局
TEL 011-231-1941 FAX 011-231-1942

posted by 森越 壮史郎 at 12:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする