2021年04月27日

B型肝炎、再発患者救済 最高裁、賠償請求権認める 発症20年超、原告逆転勝訴 「全体解決、国の責務」


以下は、共同通信(2021年04月27日)からの引用です。

「集団予防接種での注射器使い回しが原因のB型肝炎を20年以上前に発症し、再発した患者2人が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(三浦守(みうら・まもる)裁判長)は26日、賠償請求権が消滅する「除斥(じょせき)期間」(20年)の起算点は、発症時ではなく再発時とすべきだとした。

権利が消滅したとして原告敗訴だった二審福岡高裁判決を破棄し、損害額を算定するため審理を差し戻した。

患者の救済範囲拡大につながる判断。

4人の裁判官全員一致の意見。

三浦裁判長は補足意見で「迅速かつ全体的な解決を図るため、救済に当たる国の責務が適切に果たされることを期待する」と述べた。

全国B型肝炎訴訟弁護団によると、各地の訴訟で、除斥期間の起算点が争われている再発患者は他に111人おり、判決は今後の審理に影響を与えそうだ。

原告はいずれも慢性肝炎患者で、福岡市の平野裕之(ひらの・ひろゆき)さん(62)と福岡県の男性(68)。

平野さんは1987年に発症、2007年に再発した。

男性は91年に発症して04年に再発。

提訴はそれぞれ08年と12年だった。

判決は「どのような場合に再発するかは医学的に解明されておらず、最初の時点で後の発症による損害の賠償を求めるのは不可能だ」と指摘。

「最初の発症とは質的に異なる損害が生じた」として再発時を起算点とし、2人の提訴時には除斥期間が経過していなかったと結論付けた。

集団予防接種が原因のB型肝炎を巡っては、06年に最高裁が国の責任を認め、その後特別措置法が施行された。

慢性肝炎の場合、裁判を起こして和解すれば国から1250万円の給付金を受け取れる仕組みになっているが、除斥期間の経過後に提訴した場合は最大300万円にとどまる。

一審福岡地裁は17年、請求通り1250万円と弁護士費用を払うよう国に命じた。

国が控訴し、福岡高裁は最初の発症時を起点に20年の除斥期間が経過しているとして請求を棄却した。

※除斥期間

法律上の権利を使わないまま過ぎると、自動的に消滅する期間。

時効とは異なり、原則として中断や停止は認められない。

民法724条は、不法行為に対する損害賠償請求権の場合、行為から20年で消滅すると定めていたため、薬害や公害を巡る訴訟で争点になってきた。

2020年4月施行の改正民法で、20年は時効の期間だと明記された。改正前に20年が経過していた事案にはさかのぼって適用されないことになっている。

※B型肝炎訴訟

集団予防接種の注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したとして、患者らが国に損害賠償を求めた訴訟。

2012年施行の特別措置法に基づき、患者は裁判手続きを経て、症状に応じて50万〜3600万円の給付金を国から受け取る。

救済の対象者は最大で約45万人に上ると見込まれており、法務省によると、21年1月末までに計約8万5千人が提訴し、うち約6万7千人が和解して特措法に基づく受給資格を得た。

政府は特措法の請求期限を27年まで延長する法案を今国会に提出している。」





この事件の続報ですね↓

早速、裁判所のホームページに掲載されていました↓

この記事の判決理由を読むと、まるで再発事案が全て救済されるかのように読めてしまいますし、実際にも、そうあるべきだとは思いますが、飽くまで、HBe抗原陽性慢性肝炎の発症、鎮静化の後に、HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した事案に関する判断です。

いずれにしても、弁護団以外の弁護士に依頼して、安易に除斥を前提とする和解をしてしまった方が、いなければ良いのですが。

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posted by 森越 壮史郎 at 19:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする