2020年12月14日

給付金差し押さえ認めず コロナ持続化、地裁支部 「事業継続支える」


以下は、共同通信(2020年12月03日)からの引用です。

「新型コロナウイルス対策で個人事業主に支給された持続化給付金が差し押さえの対象になるかどうかが争われた民事裁判で、神戸地裁伊丹支部は3日までに、事業の継続を支えるのが目的だとして、差し押さえを認めない決定をした。

消費者金融に100万円を差し押さえられた兵庫県の女性が取り消しを求めていた。

11月19日付。

女性の代理人弁護士が明らかにした。

コロナ対策で一律10万円が支給される特別定額給付金には差し押さえを禁じる法律があるが、持続化給付金にはない。

野党が法案を提出し、国会で審議が続いており、司法判断が先行した形。

代理人の村岡友一(むらおか・ゆういち)弁護士は「同様の決定はほかに聞いたことがなく画期的だ」と評価する。

決定などによると、女性は個人事業主。

9月2日、国から口座に給付金100万円が振り込まれたが、地裁伊丹支部が前日に消費者金融の申し立てで口座の差し押さえ命令を出し、全額が差し押さえられた。

同支部の谷口真紀(たにぐち・まき)裁判官は今回の決定で「差し押さえを禁じる法律はないが、持続化給付金は事業の継続を支え、再起の糧にすることが目的で、個人事業者が確保できなければこの目的を実現することは困難だ」と判断した。

持続化給付金はコロナの影響で収入が半減した事業者を対象に、中小企業には最大200万円、個人事業主には最大100万円を支給する制度。」





特別定額給付金は、新型コロナの影響で困窮しているか否かにかかわらず、国民全員に一律10万円が支給される給付金なにの対して、持続化付金は、新型コロナの影響で、困窮している事業者に支給される給付金なのに、「特別定額給付金には差し押さえを禁じる法律があるが、持続化給付金にはない。」というのは、実に間抜けな話ですが、「野党が法案を提出し、国会で審議が続いている」ということは、現行法下では、差押禁止財産ではないというのが、形式的な結論なので、画期的な決定ですね。

預金債権自体は、差押禁止財産ではないのですが、その実質が持続化給付金であることを、尊重するという面でも。

消費者金融側は、不服申立するのでしょうか。

さて、どうなるのでしょうか。

このブログの筆者のホームページはこちら
posted by 森越 壮史郎 at 12:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月09日

空き家対策に弁護士派遣 神戸市、処分や売却促す


以下は、共同通信(2020年12月01日)からの引用です。

「神戸市が放置された空き家の処分や売却を促すため、倒壊などの危険性が高い物件を独自に選び、弁護士ら相談員を所有者の元に派遣する制度を来年4月から始めることが30日、市への取材で分かった。

依頼がなくても専門家を向かわせる積極的な施策で、全国的にも珍しいという。

市によると、主に複数の相続人が存在し、合意形成が難しい場合を想定。

2016〜19年度に市内で危険性の高い物件約1580件を選定し所有者に指導したが、状況が改善したのは6割程度にとどまる。

今回は未改善の物件の中で、所在が分かる所有者に弁護士や司法書士、建築士などが解決策を提言し、売却など資産整理を支援する。

派遣費用は市が負担する。

市の担当者は「危険な空き家は増え続けているが、行政代執行による強制撤去は最後の手段。解決策を一緒に考えたい」と話した。

市は既に、住宅用地に適用される固定資産税などの優遇措置から放置物件を除外する取り組みを開始しており、対策を強化する。」





弁護士の活躍の場が増えることは、良いことなのかも知れませんが、少なくとも、私だったら、複数の相続人が存在し、合意形成が難しいのに、売却を提言したりはしませんが。

派遣費用は、市が負担するとのことですが、市の担当者では、駄目なのでしょうか。

このブログの筆者のホームページはこちら
posted by 森越 壮史郎 at 12:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月03日

議会出席停止は裁判対象 地方議員の責務重視 最高裁、60年前の判例変更


以下は、共同通信(2020年11月26日)からの引用です。

「地方議員は議会による出席停止処分を裁判で争えるのか―。

宮城県岩沼市議会の前市議が処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人(おおたに・なおと)長官)は25日、「司法審査の対象外」とした60年前の判例を変更し「常に裁判の対象となる」と判断した。

選挙で選ばれた議員の責務を重視する内容で、対象にならないと主張した市側の上告を棄却した。

15人の裁判官全員一致の結論。

大法廷は「地方議員は住民の意思を自治体の決定に反映させるために活動する責務を負う」と指摘。

議事に参加できなければ、責務を十分に果たせなくなるとした。

議会に一定の裁量は認められるものの「議員活動への制約の程度を踏まえると、処分の適否が専ら議会の自主的、自律的解決に委ねられるべきだとは言えず、司法審査の対象となる」と結論付けた。

行政法学者の宇賀克也(うが・かつや)裁判官は「議会の自律性の全面否定にはならず、乱用的な懲罰の抑止が期待できる」との補足意見を付けた。

最高裁は1960年の大法廷判決で「出席停止は内部規律の問題として裁判で扱うことが適当ではない」として議員の身分を失う除名以外の処分は、裁判の対象から外すべきだとしていた。

今回の訴訟の原告は前岩沼市議大友健(おおとも・けん)氏(71)。

同じ会派の議員が懲罰を受け陳謝文を読み上げたことについて、2016年6月の議会運営委員会で「政治的に妥協した」と擁護したことを理由に9月定例会の23日間を出席停止とされ、議員報酬も減額された。

 一審仙台地裁は18年3月、従来の判例に従い訴えを却下。

同8月の二審仙台高裁判決は「議員報酬の減額につながる場合は司法審査の対象になる」と一審を取り消し、差し戻した。

最高裁判決を受け、今後再び仙台地裁で審理される。」





当然、裁判所のホームページに掲載されています↓
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89851

ちなみに、60年前の昭和35年10月19日大法廷判決は↓
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52951

部分社会の法理という、司法試験受験生時代の懐かしい憲法の論点ですが、自分が生まれるよるも前の裁判官が書いた判例や、教科書に書いてあることを丸暗記するのではなく、自分で考える力が、何より大切ですね。

このブログの筆者のホームページはこちら
posted by 森越 壮史郎 at 18:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする