2020年11月25日

一票の格差、19年参院選「合憲」 最高裁が統一判断


以下は、朝日新聞デジタル(2020年11月18日)からの引用です。

「一票の格差が最大3倍だった昨年7月の参院選は投票価値の平等を求めた憲法に反するとして、弁護士たちが選挙のやり直しを求めた裁判の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長=大谷直人長官)は18日午後、「合憲」と判断した。

国会の格差是正の取り組みを「大きな進展を見せているとはいえない」としつつ、2015年に導入した合区を維持したことなどを評価し、原告側の上告を退けた。

裁判官15人のうち10人の多数意見。

5人の個別意見があり、行政官出身の林景一裁判官、弁護士出身の宮崎裕子裁判官、学者出身の宇賀克也裁判官は「違憲」とする反対意見を付けた。

昨年の参院選では、議員1人を選ぶ有権者数が最も少なかった福井県の約65万人に対し、最も多かった宮城県は3倍の約194万人。

宮城の人の一票の価値は、福井の「0・33票」という状態だった。

都道府県を基本とした選挙区割りと定数配分の偏りから生じる格差で、都市部の一票の価値が軽くなる傾向にある。

山口邦明弁護士と升永(ますなが)英俊弁護士のグループは、区割りと定数を決める公職選挙法が差別を生んでいると主張。

同法の規定上、一審となる高裁・支部に計16件の裁判を起こした。

争点は@違憲といえるほど不平等かA前の選挙からその不平等を改善しなかったことが「国会の裁量権」の限界を超えているか。@だけだと「違憲状態」という中間的な判断で、結論は原告の敗訴となる。

高裁判決では高松と札幌だけが違憲状態とし、14件は合憲とした。

合憲判断の多くは、国会が2015年の公選法改正で導入した「合区」を維持したことを評価した。

鳥取と島根、徳島と高知の選挙区を一つにまとめることで、16年選挙の最大格差は13年の4・77倍から3・08倍に縮小。

この方式は今回の訴訟の対象となった19年選挙も残った。

一方で国会は、合区導入時に「抜本的な見直しについて引き続き検討し、必ず結論を得る」と宣言しながら、続く18年の法改正は埼玉県選挙区の定数を調整するにとどまった。

比例代表には、合区で立候補できなくなった議員を救済する「特定枠」を作った。

上告した原告らは「改革姿勢が後退したのは明らか」とし、「格差3倍なら問題ないという誤ったメッセージを与えてはならない。議員に任せても解決はできず、積極的な違憲判断を」と訴えていた。」





早速、裁判所のホームページに掲載されていますね↓
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89797
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89841
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89842

議員さん達にとっては、格差3倍なら問題ないというメッセージにしか、取れないんじゃないですかね。

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2020年11月16日

放置自転車使用の男性無罪 大津地裁、検察控訴せず


以下は、共同通信(2020年11月12日)からの引用です。

「滋賀県内の公園近くに放置された他人の自転車を使ったとして、占有離脱物横領罪に問われた男性(51)に、大津地裁(斉藤隆広(さいとう・たかひろ)裁判官)が不法領得の意思を否定して無罪を言い渡し、検察側は控訴せず判決が確定した。

男性の代理人弁護士が11日、明らかにした。

男性側弁護士や判決によると、男性は住所不定で無職。滋賀県東近江市で6月に放置自転車を使った疑いで同県警に逮捕され、占有離脱物横領罪で起訴された。

公判で男性側は、社会福祉法人に行って家探しや食料の支援をしてもらうために自転車を短時間使ったことを認めつつ、元の場所へ戻そうとしていたことなどを訴えて無罪を主張。

検察側は罰金10万円を求刑した。

斉藤裁判官は10月27日、判決理由で男性側を支持し「自転車を不法に手に入れる意思があったとは認められない」とした。

検察側は期限の今月10日までに控訴しなかった。

男性は逮捕から約4カ月、勾留された。

代理人の杉本周平(すぎもと・しゅうへい)弁護士は「(検察側は)自転車使用の状況や目的などについて、詳細な取り調べを怠ったのではないか」とし、刑事補償を請求する方針。

大津地検の山上真由美(やまがみ・まゆみ)次席検事は「証拠を精査するなどし、控訴しないこととした」としている。

放置自転車を巡っては、コンビニに向かうため駐輪場にあったものを使ったとして占有離脱物横領罪に問われた20代男性に、福岡地裁が不法領得の意思を否定し9月に無罪判決を言い渡した。

福岡地検は控訴している。」





不法領得の意思ですか。

司法試験受験生時代以来の懐かしい響きですね。

結局、元の場所に戻そうとしていたという言い分が、合理的かどうかが分かれ目でしょうね。

弁護士になって独立してからのことですが、昔の事務所があったビルのすぐ前の大通公園の自転車置場に自転車をとめておいたところ、鍵をかけていたにもかかわらず、盗まれてしまったことがありました。

盗まれてどの位経ってからだったかは忘れてしまいましたが、数日後とかではなく随分経ってから、何と、同じ自転車置場に、盗まれた私の自転車が、違う鍵をかけてとめてあるのを発見しました。

盗難届を出した交番に連絡したところ、張り込みをしてくれて、夕方、犯人?が見つかったそうですが、お巡りさんいわく、犯人?の言い分によると、大通公園の自転車置場で盗んだ訳ではなく、他の公園で鍵もかけずに放置してあるのを見つけて、乗っていたのだそうで、お巡りさんから、「弁護士さんだからわかっているでしょう」みたいなことを言われて、処罰ということにはなりませんでした。

まあ、確かに、普通の神経であれば、自分が盗んだ場所に、盗んだ自転車をのうのうととめておくことはないでしょうから、犯人?の言い分は事実である可能性が大ですが、その言い分を前提としても、窃盗罪は成立しないものの、自分の鍵をかけてまで拾った自転車を使っていたのですから、不法領得の意思は、優に認められ、占有離脱物横領罪は成立すると思いますが…。

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2020年11月02日

在日コリアン弁護士勝訴 理由なき懲戒請求賠償確定


以下は、共同通信(2020年10月26日)からの引用です。

「東京弁護士会所属で在日コリアンがルーツの金竜介(きん・りゅうすけ)弁護士が理由のない懲戒請求をされたとして、愛知県の男女に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一(くさの・こういち)裁判長)は男女の上告を退ける決定をした。

21日付。

請求を棄却した一審判決を変更し、計88万円の支払いを命じた二審名古屋高裁判決が確定した。

2016年、各地の弁護士会が朝鮮学校への補助金停止に反対する会長声明などを出した後、反発するブログの呼び掛けに応じて大量の懲戒請求があった。

弁護士が提訴し、賠償を命じる判決が他にも相次いでいる。

一審名古屋地裁は、懲戒請求は不当だとする一方、賠償を要するほどの精神的苦痛を被ったとは認められないと判断。

名古屋高裁は「朝鮮半島にルーツがあるとうかがわれる名前を対象にしており、人種差別思想に基づく。請求をされたこと自体が不名誉で、弁護士の名誉や信用を傷つける」と指摘した。」





裁判所のホームページには、掲載されないようです。

多分、単なる上告不受理決定じゃないかと思いますし、最高裁判所は事実認定には原則として踏み込みませんので、損害賠償額として、1人あたり40万円+1割の弁護士費用が妥当だと判断した訳ではありません。

と思ったら、以下は、同じく共同通信(2020年10月29日)からの引用です。





●弁護士懲戒請求、6人の敗訴確定 朝鮮学校補助金批判ブログに呼応

「朝鮮学校への補助金を批判するブログの呼び掛けに応じ、東京弁護士会に根拠のない懲戒請求をしたとして、佐々木亮弁護士と北周士弁護士が男女6人に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は6人の上告を退ける決定をした。

28日付。

請求通り計396万円の支払いを命じた二審東京高裁判決が確定した。

日弁連や各地の弁護士会が2016年に朝鮮学校への補助金停止に反対する声明を出したことを発端に、このブログが懲戒請求を呼び掛け、大量の請求が起きた。

各地で弁護士が請求者を相手取って提訴し、賠償を命じる判決が相次いでいる。」





同じく、裁判所のホームページには、掲載されないようです。

2人の弁護士が6人に396万円ですから、こちらは、1人あたり30万円+1割の弁護士費用ですね。

どちらが妥当だとも判断した訳ではありません。


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