2017年07月20日

遺産分割前、仮払い可に 故人の預貯金、生活費・葬儀費に 法制審試案


以下は、朝日新聞デジタル(2017年7月19日)からの引用です。

「相続制度の見直しを検討している法相の諮問機関「法制審議会」の相続部会は18日、故人の預貯金について遺産分割前の「仮払い制度」の創設などを盛り込んだ民法の改正試案をまとめた。

結婚して20年以上の夫婦の場合、故人の配偶者が自宅に暮らし続けられるなど、相続で優遇されることも含まれている。

法制審は年内にも要綱案を取りまとめ、来年2月に法相に答申する予定で、法務省は来年の通常国会への改正案提出を目指す。

試案では、故人の預貯金について、遺産分割が終わる前でも、生活費や葬儀費用の支払いなどのために引き出しやすくする「仮払い制度」の創設を盛り込んだ。

昨年12月の最高裁決定を受けて預貯金が遺産分割の対象になり、「(遺産分割が終わるまで)預金が引き出しにくくなる」との不便を解消する措置だ。

また、結婚して20年以上の夫婦なら、遺産相続で配偶者を優遇する。

生前や遺言で居住用の建物と土地の贈与を受けた場合が対象で、相続人らで遺産分割する際、この建物と土地は全体の遺産に含めない。

建物と土地を含めた遺産の「2分の1」を得られる現在の法定相続分より、配偶者の取り分が多くなる仕組みで、高齢化社会を見越し、残された配偶者が生活する場を確保する狙いだ。

このほか、相続人同士で利害がぶつからない限り、遺産の一部分割可能を明文化▽相続人のうち、最低限の取り分を得られない人がいる場合、金銭の代わりに引き渡す財産を、過度に受け取った相続人が決められる――といった内容も盛り込まれた。」





法務省の法制審議会−民法(相続関係)部会は↓
http://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00294.html

7月18日開催分はまだ掲載されていませんので、詳細は明らかではありませんが、前回の6月20日開催分に、要綱案のたたき台が掲載されていますね。

遺産相続で配偶者が優遇されるのは、結婚して20年以上の夫婦で、生前や遺言で居住用の建物と土地の贈与を受けた場合とのことですので、それなりの対処は必要のようです。

ところで、税制面は、どうなるのでしょうか。

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2017年07月14日

電通違法残業 「法人の略式命令は不相当」正式裁判へ


以下は、毎日新聞(2017年7月12日)からの引用です。

「東京簡裁が検察側に通知 労基法違反 電通幹部ら出廷へ

広告大手・電通(本社・東京都港区)の違法残業事件で、東京簡裁(池上邦久裁判官)は12日、労働基準法違反(長時間労働)で略式起訴されていた法人としての電通について「略式命令は不相当」と判断し、検察側に通知した。

検察当局の略式起訴に対し「不相当」の判断が出るのは異例。

今後、同簡裁で電通の幹部らが出廷して正式な裁判が開かれる。

略式起訴に対し、簡裁は通常、略式命令を出すが、「略式不相当」と判断した場合か、無罪などに当たる「略式不能」と判断した場合は、公判を開かなければならない。

最高裁によると、2015年に略式起訴された約27万件のうち、「略式不相当」と「略式不能」とされたのは、計55件(0.02%)にとどまる。 」





事件の内容からして、非公開の略式罰金ではなく、公開の法廷で審理すべきという、裁判官の見識ではないでしょうか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/275499681.html

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2017年07月11日

医師の残業代「年俸に含まず」=請求棄却の一、二審破棄−最高裁


以下は、時事ドットコム(2017年07月07日)からの引用です。

「医師が勤務先の病院と結んだ雇用契約をめぐり、年俸1700万円の中に残業代が含まれていたかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は7日、「残業代は含まれていない」と判断した上で、医師の請求を棄却した二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。
訴えていたのは、神奈川県内の医療法人を解雇された男性外科医。

雇用契約に基づき、午後9時以降の「必要不可欠な業務」には残業代が支払われたが、医師は午後9時までの残業分も支払うよう求めていた。

第2小法廷は、年俸1700万円の中に残業代を含むことで双方が合意していたが、残業代に相当する金額の内訳は不明確だったと指摘。

「残業代をあらかじめ賃金に含めて支払う場合には、通常賃金との区別が必要」とした判例に基づき、「残業代が支払われたとは言えない」と結論付けた。

一審東京地裁は、職務内容や賃金額などから合意は有効だとし、「残業代は含まれていた」と判断。

二審東京高裁もこれを支持していた。 

病院側の代理人弁護士の話 従来の判断枠組みを単純に適用した。現実を無視した形式的判断だ。

医師側の代理人弁護士の話 医師の労働環境適正化についての議論が進み、過重労働改善の契機になることを期待している。」





早速、裁判所のホームページに掲載されています↓
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86897

確かに形式的と言えば形式的ですが、「本件時間外規程に基づき支払われるもの以外の時間外労働等に対する割増賃金を年俸1700万円に含める旨の本件合意がされていたものの、このうち時間外労働等に対する割増賃金に当たる部分は明らかにされていなかったというのである。そうすると、本件合意によっては、上告人に支払われた賃金のうち時間外労働等に対する割増賃金として支払われた金額を確定することすらできないのであり、上告人に支払われた年俸について、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することはできない。したがって、被上告人の上告人に対する年俸の支払により、上告人の時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金が支払われたということはできない。」とのことですので、形式的には、基本給の金額と残業代の金額を明らかにしておけば良い、そして、基本給を低く設定して残業代がオーバーしないようにしておけば良いということで、過重労働改善の契機になることは余り期待できないようにも思います。

長くなるので引用はしませんが、勤務医の半数以上が過労死の危険を感じたことがあるという報道もありますし、医師の自殺の原因が過労によるものだとして労災認定されたという報道もあります。

医師は患者の命を預かる大切な専門家ですが、単なる人間でスーパーマンではありません。

医療ミスが起きないようにするためにも、本当の意味での過重労働の改善が必要ではないかと思います。

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