2015年02月25日

法科大学院、淘汰の波 学費高く、人気は予備試験へ


以下は、朝日新聞デジタル(2015年2月22日)からの引用です。

「法曹をめざす人に必要な法科大学院の淘汰(とうた)が事実上、始まった。

知識偏重ではなく、人間性をみがく場として期待されたが、文部科学省は新年度から補助金を大幅に減らす。

半面、法科大学院に通わなくても司法試験を受験できる「予備試験」の利用者が増えている。

法科大学院協会と日本弁護士連合会は昨年10月から、「法科大学院がわかる会」を各地で開いている。

進学希望の学生に授業内容などを説明し、法科大学院の重要性を訴えるためだ。

慶応大法学部2年の男子学生(20)は昨年11月に参加したが、進学より予備試験の合格を優先する。

「時間もお金も少なくて済む」という理由だ。

慶応大法科大学院では2013年度、在学中の予備試験に合格した29人中8人が、合格を理由に退学した。

予備試験は誰でも受験できるため、11年の制度導入後受験者が増え、14年度は1万347人。

全国の法科大学院を受験した総数より100人ほど多かった。

関東学院大法学部3年の久野さとみさん(21)も進学と予備試験の両にらみだ。

「(進学時期に)父親が定年を迎える」と、学費を気にする。

法科大学院で学びたいが、入学しても1年目から予備試験を狙う。

国際基督教大教養学部3年の萩野実央(みお)さん(21)は法科大学院を重視する。

「仲間ができるし、人脈づくりができる」と、予備試験は考えていない。

最先端の法律実務に触れ、幅広い法的思考力を培うことを期待する。

慶応大法科大学院3年の越知雄紀さん(24)は「(予備試験が)本来の目的と違う現状なら、受験制限を設けてもよいのでは」との立場だ。

■合格率伸びず補助減

「予備試験の実態が予定と違う。見直しの検討を」

「時期尚早」

1月27日にあった内閣府の「法曹養成制度改革顧問会議」。

大学や法曹関係者らが予備試験に受験資格が必要かを話し合い、積極派と消極派に割れた。

2014年度は予備試験の合格者356人のうち114人が大学生、168人が法科大学院生だった。

予備試験を所管する法務省は基本的に、現在の予備試験を続けたい。

ある幹部は「幅広い選択肢を残すことが大切だ」と話す。

省内には、法科大学院が司法試験合格率を上げるなど魅力を高めれば、予備試験を抜け道的に利用する学生は減るという見方が強い。

一方の文部科学省。

予備試験組の増加に、「医学部を修了していない医者がメスを握ることになるのと同じ」との批判もある。

「時間をかけて質の高い法律家を育てる」という理念を堅持する。

ただ、司法試験の合格率は伸び悩む。

14年度は、予備試験組が66・8%。

法科大学院組は21・2%だった。

法科大学院組は06年度の48・3%をピークに低下傾向にある。

危機感を持つ文科省は今年1月、合格率の低い法科大学院などに「イエローカード」を出した。

教育の質を向上させなければ新年度の補助を減額すると発表。

52校中42校が減額、うち7校は半減だった。

担当者は「改革は進めるが、水道管に大きな穴(予備試験)が開いていれば、蛇口から良い水をたくさん出すのは厳しい」とこぼす。

■<考論>予備試験は「弊害」にも

慶応大法科大学院の片山直也教授の話

柔軟な法的思考ができる人材の育成という意味では、予備試験の「弊害」は大きい。

法科大学院の「淘汰」がある程度進んだ後は、司法試験の一定の合格率を確保しつつ、様々な場で活躍できる法曹をいかに育てるかを競い合うことになる。

真の競争を確保する環境が整えば、法科大学院を中心とした法曹養成システムがうまく機能するのではないか。

■<考論>合格率の安定化が重要

中央大法科大学院の大貫裕之教授の話

補助金の出し方にメリハリをつけることで、一部の法科大学院が司法試験合格率を上げようと、安易に受験テクニックを教え込む可能性はある。

ただ、その指導では現在の司法試験では成果は出ないだろう。

一方、法科大学院全体の質を保つため定員の適正化も進めざるを得ないだろう。

合格者をどのくらいにするかも議論し、合格率を安定させることが重要だ。

予備試験の受験資格の制限がもちろん前提となる。

◆キーワード

<司法試験の受験資格>

法科大学院を修了するか、予備試験に合格することで得られる。

法科大学院は、超難関で知識偏重になりがちだった旧司法試験の反省から、時間をかけた教育を通じて法曹を養成しようと、2004年に導入。

74校でスタートしたが、合格率低迷などで、一部は生徒が集まらなくなった。

予備試験は学費が300万円以上かかるケースもある法科大学院に経済的事情などで通えない人のための「例外ルート」だが、誰でも受験でき、司法試験に似ているため年々受験者数が増えている。」




いつから、「法科大学院は、超難関で知識偏重になりがちだった旧司法試験の反省から、時間をかけた教育を通じて法曹を養成しようと導入」されたことになったのでしょうか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/413928672.html

「水道管に大きな穴(予備試験)が開いていれば、蛇口から良い水をたくさん出すのは厳しい」ということは、予備試験組が優秀であることを認めているのではないでしょうか。

法曹として必要な知識がない人に法曹になられては、我々同業者にとっても、市民にとっても、たまったものではありません。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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