2015年02月07日

【三鷹ストーカー殺人控訴審】池永被告の1審判決(懲役22年)を破棄 「リベンジポルノの過大評価は誤り」


以下は、産経ニュース(2015.2.6)からの引用です。

「東京都三鷹市で平成25年10月、高3の女子生徒=当時(18)=が刺殺されたストーカー事件で殺人罪などに問われた元交際相手の無職、池永チャールストーマス被告(22)=京都市=の控訴審判決公判が6日、東京高裁で開かれた。

大島隆明裁判長は「名誉毀損罪を実質的に処罰する判決で、1審の審理の進め方には違反がある」と指摘。

起訴していないリベンジ(復讐)ポルノを事実上過大評価した判決は誤りとして懲役22年とした裁判員裁判判決を破棄し、東京地裁に差し戻した。

高裁判決が確定すると、改めて裁判員を選任し1審をやり直す。

大島裁判長は、池永被告が交際中に撮影した生徒のプライベートな画像を事件前後に流出させた「リベンジポルノ」と呼ばれる行為に着目。

量刑を考慮する要素に取り入れること自体は否定しなかったが、裁判開始前に裁判官と検察・弁護側の三者で行われる公判前整理手続きについて「(リベンジポルノについて)主張・立証を行うことの当否、範囲や程度が議論された形跡は見当たらない」と指摘。

裁判官による論点整理や審理の進め方に誤りがあったとして、論点を整理した上で改めて1審裁判員裁判で量刑を検討することが必要とした。

弁護側は「同種事案に比べて、1審判決は重すぎる」と主張、検察側は控訴棄却を求めていた。

1審で検察側は無期懲役を求刑したが、地裁支部は被害者1人の刃物を使用した殺人事件の量刑を考慮。

「生育歴が一定程度影響した。若くて更生可能性がある」と指摘し、有期刑の上限が相当と判断した。

1審判決によると、池永被告は平成25年10月8日午前、生徒宅に侵入し、午後4時55分ごろ、生徒の首や腹部をペティナイフで刺して殺害した。」




最高裁判所昭和41年7月13日判決は、「刑事裁判において、起訴された犯罪事実のほかに、起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮し、これがため被告人を重く処罰することは許されないものと解すべきである。けだし、右のいわゆる余罪は、公訴事実として起訴されていない犯罪事実であるにかかわらず、右の趣旨でこれを認定考慮することは、刑事訴訟法の基本原理である不告不理の原則に反し、憲法31条にいう、法律に定める手続によらずして刑罰を科することになるのみならず、刑訴法317条に定める証拠裁判主義に反し、かつ、自白と補強証拠に関する憲法38条3項、刑訴法319条2項、2項の制約を免かれることとなるおそれがあり、さらにその余罪が後日起訴されないという保障は法律上ないのであるから、若しその余罪について起訴され有罪の判決を受けた場合は、既に量刑上責任を問われた事実について再び刑事上の責任を問われることになり、憲法39条にも反することになるからである。」と判示する一方で、「しかし、他面刑事裁判における量刑は、被告人の性格、経歴および犯罪の動機、目的、方法等すべての事情を考慮して、裁判所が法定刑の範囲内において、適当に決定すべきものであるから、その量刑のための一情状として、いわゆる余罪をも考慮することは、必ずしも禁ぜられるところではない(もとより、これを考慮する程度は、個々の事案ごとに合理的に検討して必要な限度にとどめるべきであり、従ってその点の証拠調にあたっても、みだりに必要な限度を越えることのないよう注意しなければならない。)。このように量刑の一情状として余罪を考慮するのは、犯罪事実として余罪を認定して、これを処罰しようとするものではないから、これについて公訴の提起を必要とするものではない。余罪を単に被告人の性格、経歴および犯罪の動機、目的、方法等の情状を推知するための資料として考慮することは、犯罪事実として認定し、これを処罰する趣旨で刑を重くするのとは異なるから、事実審裁判所としては、両者を混淆することのないよう慎重に留意すべきは当然である。」と判示しています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51782

一体全体、どの程度であれば、合理的で必要な限度なのか、限度を超えているのか、さっぱり分かりませんが、今回の1審判決は、その限度を超えたという判断です。

それにしても、最近は、裁判員裁判でも、破棄差戻しがトレンドのようですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/411470010.html

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posted by 森越 壮史郎 at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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