2014年10月03日

元裁判員の請求棄却=ストレス賠償訴訟で判決−制度合憲と判断・福島地裁


以下は、時事ドットコム(2014/09/30)からの引用です。

「裁判員裁判で証拠の遺体写真を見せられるなどして急性ストレス障害(ASD)になったのは、国民に裁判員になることを強いる裁判員法が原因として、福島県郡山市の女性が国に慰謝料など200万円の支払いを求めた訴訟の判決が30日、福島地裁であり、潮見直之裁判長は女性の請求を棄却した。

原告側は、遺体写真を審理中に見せられたことなどについて、裁判官や検察官の過失を主張しておらず、争点は裁判員制度の違憲性などに絞られていた。

判決は同制度を合憲と判断した。

潮見裁判長は、原告の青木日富美さん(64)が遺体写真を見たこととASDの発症には、因果関係があると認めた。

その上で、裁判員制度について、裁判員候補者には選任手続きでの辞退が認められており、精神的負担で発症した場合などには補償が受けられる制度もあると指摘。

「国民の負担は合理的な範囲にとどまっている」と述べ、裁判員法は苦役からの自由を定めた憲法18条などに違反しないと判断した。

判決によると、青木さんは2013年3月、死刑判決を出した福島地裁郡山支部の強盗殺人事件の裁判で裁判員を務めた際、証拠の遺体写真などを見たり、被害者が通報中にうめき声を上げる録音テープを聞いたりした。

その後、体調を崩し、同月下旬にASDと診断された。」




裁判員は、非常勤の裁判所職員であり、国家公務員災害補償法の規定に基づき、補償を受けることができるそうなので↓、この規定では認められない慰謝料を請求しているということなのでしょうかね。
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c7_11.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO191.html

大上段から、憲法問題として争いたい気持ちも、わからないではないですが、最高裁判所が積極的に関与して制度設計された裁判員制度を、裁判所が自ら違憲と判断することを期待するのは、やはり無理があるのではないでしょうか。

この事件を契機として、遺体写真のモノクロ化やイラスト化という配慮が行われるようになった訳で、過失と評価できるかどうかはともかくとして、配慮が足りなかったことは裁判所も認めている訳ですし、因果関係は認められているのですから、被害回復という視点からすると、やはり、裁判官や検察官の過失も、主張すべきなのではないでしょうか。

当然、控訴するのでしょうし、控訴審も、さすがに本件では、時期に遅れた攻撃防御方法として、却下するということはないでしょうし。

ご本人が、何が何でも憲法問題一本で勝負して欲しいと言っているのであれば、話は別ですが。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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