2014年08月18日

社説/弁護士の不祥事 信頼が根底から揺らぐ


以下は、どうしんウェブ(2014/08/13)からの引用です。

「依頼者から預かった金を着服する。

無資格者から債権整理の仕事のあっせんを受ける―。

弁護士の不祥事がいっこうに止まらない。

基本的人権を擁護し、社会正義を実現するという使命はどこに行ったのか。

早急に歯止めをかけないと、信頼が根底から揺らぐ。

弁護士一人一人が危機感を共有しなければならない。

5月、大阪の弁護士が逮捕された。

預かった財産2千万円を着服したとする業務上横領容疑だ。

7月には東京の弁護士3人が弁護士法違反(非弁提携)の罪で在宅起訴された。

弁護士資格のない第三者から多重債務者の紹介を受けたとされる。

金に絡む問題を含め、今年上半期(1〜6月)に弁護士会が行った除名、業務停止など懲戒処分は全国で約50件に上る。

10年前の2倍に当たる年間98件と過去最悪だった昨年と同ペースで推移している。

懲戒処分とは別に、事案によっては被害拡大を防ぐため、弁護士会が迅速に調査できるようにしなければならない。

日弁連はその仕組みづくりを急ぐべきだ。

問題の根深さをうかがわせるのは60代以上の懲戒処分が目につくことだ。

過去には弁護士会正副会長経験者による横領もあった。

司法制度改革で弁護士は急増し1人当たりの仕事は減った。

生活に困る人もいるという。

それを不祥事増加の理由にされたら国民はたまらないが、道を誤る要因の一つであるのも事実だろう。

一昨年に億単位の詐欺・横領事件があり、日弁連は昨年、預かり金の取り扱い規程をつくった。

弁護士に専用の口座開設などを義務づけたほか、規程違反の疑いがある場合は弁護士会が保管状況について照会できるようにした。

横領事件は道内でも過去に起きている。

規程の厳守はもとより、この内容で十分かどうかなど不断の見直しが求められる。

忘れてならないのは弁護士自治だ。

弁護士の登録事務は日弁連が行い、懲戒権は弁護士会と日弁連にしかない。

弁護活動で対立することもある国家の介入を防ぎ、独立性を確保するためだ。

だからこそ弁護士会は弁護士を指導監督する義務を負う。

弁護士の独立性は担保するにしても、その強化は避けて通れまい。

横領した側の破産で依頼者に預かり金が戻らないこともある。

弁護士会として依頼者保護の基金を設ける必要がある。

早期実現を求めたい。」




過失行為による弁護過誤には、責任賠償保険がありますが、故意行為に対する基金ですか。

思いもよりませんでしたが、他に例があるのでしょうか。

相変わらず、ベテラン弁護士の不祥事ばかりが目に付きますが、ベテランの場合、長い間、ある意味、弁護士であれば誰でもソコソコ食べられる状況だったのが(だからこそ、弁護士が増えても何とかなるんじゃないかと、安易に司法改革に賛成してしまったのでしょう)、ここ数年で、想像以上に激変したので、急激な舵取りができないのだと思いますし、ベテランだからこそ、大金を預かる立場にあるということもあると思います。

若手の弁護士も大変だとは思いますが、経済的に楽ではないことを前提として、人生設計をして、何とかやりくりしているのでしょうし、それでも駄目なら、静かに退場するしかない、ということなのでしょうね。




という訳で、以下は、神戸新聞NEXT(2014/8/14)からの引用です。

移籍、転職 漂う弁護士 若手酷使「ブラック事務所」増加?

「若手の弁護士を中心に、働き口を求めて他府県の弁護士会へ移籍したり、登録を取り消して別業種に転職したりする弁護士が増えている。

苦労して難関の司法試験を突破しても、弁護士数の増加などによる競争激化で安定した収入を得られるめどが立たず、奨学金の返済もままならない現状が背景にある。

日弁連によると、事務所を移るなどして所属する弁護士会を変更する「登録換え」は、2004年は172件だったが、13年は597件と3・5倍に増加した。本人請求による登録取り消しも91件(04年)から345件(13年)と、10年で3・8倍に増えている。

兵庫県弁護士会の武本夕香子会長は「30歳前後の若手が目立つ」と指摘する。

4月に登録換えした全国の弁護士のうち、登録5年以内が約7割。

取り消しでも約3割を占めた。

司法試験に合格し、修習を終えれば弁護士資格は得られるが、実際に活動するには各地の弁護士会に入会し、日弁連に登録する必要がある。

登録後は弁護士事務所に就職して技能を磨いた後、独立するのが一般的だった。

ところが、司法制度改革に伴い法曹人口が増える一方で、事務所側は訴訟件数の減少や顧問料のカットで経営が苦しくなり、新人は就職難に。

利益優先で過酷な勤務を強いる「ブラック事務所」が増えているとの指摘もある。

「最近の若手は就職先を選べず、制度改革のしわ寄せを最も受けている」と武本会長は憂慮する。

実務経験なしに独立しても、仕事がない上に事務所経費や年数十万円の弁護士会費がかさみ、赤字経営に陥るケースが少なくない。

早々に見切りを付けて公務員などに転職する若手も目立つという。

【「17時間勤務はザラ」 大阪から移った兵庫の男性】

兵庫県の20代男性弁護士は、かつて在籍した大阪の弁護士事務所で過酷な勤務を強いられたという。

「仕事量が極端に多く、朝9時半から翌日の午前2時、3時まで働くこともザラ。

体力的に厳しく、体調を崩す人が多かった」と打ち明ける。

専門が希望分野と違い、自身も体調を崩して退所。

約半年休養した後、知人のつてをたどって兵庫県内の事務所に再就職。

所属する弁護士会を大阪から兵庫に登録換えした。

大阪での再就職も視野に、休業した間も月数万円の弁護士会費を払い続けたが、働き口は見つからなかった。

大阪弁護士会は入会金が高く、日弁連の登録料と合わせて50万円近くかかったという。

この男性弁護士の知人も、東京の事務所に就職したが、仕事がきつく1年足らずで退所した。

いったん弁護士登録を取り消し、地元で復帰準備をしているという。」




先日届いた自由と正義の8月号には、5月中の弁護士名簿登録・登録換え・登録取消しの情報が掲載されていました。

4月というと、4月1日という年度替わりというのもあるでしょうが、5月になっても、相変わらず、登録換え・登録取消しが多い、しかも若手が目立つという傾向は、変わらないようです。

実に嘆かわしいことですが、やはり、弁護士大増員は、一部の弁護士にとっては、自分達を脅かすような若手の成長を阻み、しかも圧倒的な買い手市場で若手を安くこき使えるという、自己の既得権を守る働きをしているということでしょうか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/392489875.html/

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posted by 森越 壮史郎 at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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