2014年05月02日

認知症列車事故:同居の妻に賠償命令 長男への請求は棄却


以下は、毎日新聞(2014年04月24日)からの引用です。

「愛知県大府(おおぶ)市で2007年、認知症の男性(当時91歳)が徘徊(はいかい)中に列車にはねられて死亡し、JR東海が男性の遺族に振り替え輸送代など約720万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁(長門栄吉裁判長)は24日、男性の妻(91)と長男(63)に全額の支払いを命じた1審・名古屋地裁判決を変更し、妻に対してのみ約360万円を賠償するよう命じた。

長男に対する請求は棄却した。

長門裁判長は、同居の妻を民法の監督義務者として、「賠償責任を免れない」と指摘。

家の出入り口のセンサーを作動させるという容易な措置を取らなかったことで「1人で外出する可能性のある男性に対する監督が不十分だったと言わざるをえない」と述べた。

だが、男性と別居して遠方で暮らす長男に対しては「介護について最も責任を負う立場にあったと言うことまではできない。監督義務者には当たらない」とした。

一方、JRに対しては、駅での利用客などに対する監視が十分で、ホームのフェンス扉が施錠されていれば事故の発生を防げた可能性を指摘し、安全向上に努める社会的責任に言及。

賠償額は請求の半分が相当と判断した。

事故は07年12月に発生。

認知症で要介護度4に認定されていた男性が、妻のまどろんだ数分間に1人で外出し、大府市のJR共和駅の線路内に入り、列車にはねられた。

1審は「事故を予見できたのに徘徊を防止する措置を取らなかった」などとして、2人に賠償を命じた。

名古屋高裁は今年1月、和解案を示したが成立しなかった。

◇遺族側代理人のコメント

妻の責任も認められるべきではない。

今後の対応は遺族と話をして決めたい。

◇JR東海のコメント

判決内容を詳細に検討し、今後の対処法を決定したい。」




民法713条は、「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。」と定めている一方、同法714条は、「前2条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」と定めていますので、現行法の下では、精一杯の和解勧告と、精一杯の判決内容だったのではないかと思います。

息子が小学校低学年の時、子供同士で遊んでいて、友達に怪我(骨折)をさせてしまったことがありました。

民法712条は、「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」と定めており、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」の有無に関しては、小学校を卒業する12歳位が、1つの目安と言われていますので↓、息子のケースでは、本人には責任がなく、上記の同法714条により、監督義務者である親に責任があるということになります。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/366746962.html

それでも、自動車保険か火災保険の特約で、対処することができました。

個人賠償責任保険、個人賠償責任補償特約、日常生活賠償特約などと呼ばれるものです。

未成年者でも、認知症の高齢者でも、責任無能力者の監督義務者の責任ということでは同じですので、この手の保険で、対処することができるのではないでしょうか。

勿論、約款の内容次第ですし、同居の家族に限られたりするでしょうから、今回の事件のような心配のある方は、事前に、保険の内容を充分に確認することをお勧めします。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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