2014年03月13日

司法書士が受任して作成した原告本人名義に係る訴状等によって提起された過払金返還請求訴訟が却下された事例


先日届いた判例雑誌に、司法書士が受任して作成した原告本人名義に係る訴状等によって提起された過払金返還請求訴訟について、弁護士法72条、民事訴訟法54条1項に違反し、不適法であるとし、訴えが却下された富山地裁平成25年9月10日判決が掲載されていました。

民事訴訟法54条1項本文は、「法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。 」と定めているのですが、上記判決は、「民事訴訟法54条1項本文により効力が否定されるべき訴訟行為は、非弁護士が当事者本人を代理して行ったものに限られず、実質的にこれと同視できるもの、すなわち、当事者が非弁護士に対して訴訟行為を策定する事務を包括的に委任し、その委任に基づき非弁護士が策定したものと認められる訴訟行為を含むものと解すべきである」と判示しています。

弁護士法72条は、「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」と定めているのですが、上記判決は、「紛争の当事者からの委任を受けていかなる趣旨内容の訴訟行為を行うべきかを判断し、訴訟行為を策定する事務は弁護士の固有の業務範囲とされ、非弁護士がそのような事務を業として行うことが弁護士法72条により禁止されている」とも判示しています。

しかも、原告が「本件の一切の訴訟行為を追認する旨の意思表示をしたとしても、本件訴えの提起は有効とはならないものというべきである」とのことです。

経過を読むと、裁判官が、傍聴席で原告本人に指示を出している司法書士、しかも飽くまで和解を拒み、判決に固執する司法書士を排除しようとして、第三者が傍聴できない弁論準備期日に付したりしたところ、その司法書士が忌避の申立をしたりしたので、ますますご立腹となり、訴え却下の判決に至ったという報復判決のようです。

ある程度定型化された過払金返還請求事件にだけ手を出すという、いいとこどりの司法書士に職域を荒らされてる感のある弁護士の1人としては、ありがたい判決ではあるものの、弁護士の少ない地域では、様々な事件で、日常的に行われていることではないかと思われますので、必ずしも妥当な結論だとは思えませんが、控訴せずに確定しているそうです。

本件での過払金は、驚くことに1000万円超、それでも、最終弁済日が平成23年8月29日とのことなので、改めて、弁護士に委任して、訴えを提起すれば良いだけの話ですが、再度の訴え提起の時点で、消滅時効期間が経過してしまっていれば、一瞬にして1000万円超の過払金を失うことになります。

今更の感はありますが、やはり、餅は餅屋にお任せした方が、無難ではないかと思います↓
http://morikoshi-law.com/kabarai.html
http://morikoshi-law.com/pdf/saikousai_160220.pdf
http://morikoshi-law.com/faq1-4.html

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posted by 森越 壮史郎 at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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