2014年02月12日

「財産を全てまかせる」旨の遺言の効力


先日届いた判例雑誌に、「私が亡くなったら財産については私の世話をしてくれた長女の〇〇に全てまかせますよろしくお願いします」との自筆証書遺言について、「本件遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況に鑑みると、遺産全部を長女に包括遺贈する趣旨のものであると理解するのが相当である」と判示した大阪高裁平成25年9月5日判決が掲載されていました。

裁判所のホームページには掲載されていないようです。

最高裁昭和58年3月18日判決↓は、「遺言の解釈にあたっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけでなく、遺言者の真意を探究すべきものであり、遺言書の特定の条項を解釈するにあたっても、当該条項と遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して当該条項の趣旨を確定すべきである。」と判示しています。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=66874&hanreiKbn=02

本件は、そのあてはめということになりますが、1審の大阪地裁堺支部平成25年3月22日判決は、包括遺贈する趣旨であることを否定していますし、本件と同様の自筆証書遺言につき、やはり包括遺贈する趣旨であることを否定した東京高裁昭和61年6月18日判決というのもありますので、実に微妙な判断ということになります。

しかも、本件では、遺言者が亡くなったのは平成20年2月14日のことですので、この高裁判決までに既に5年以上の年月が経過していますし、相手方は、上告していますので、まだ終局的な解決には至っていません。

やはり、公正証書遺言を作成することをお勧めします↓
http://morikoshi-law.com/yuigon.html
http://morikoshi-law.com/faq6-8.html

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posted by 森越 壮史郎 at 12:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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